入浴剤の効果やメリットとは?
入浴剤を使うメリットは3つあります。
1つめは、ただのお湯につかるよりも心地よく冷え対策ができること。入浴による温熱作用によって、血行がよくなったり筋肉の緊張がほぐれたり、新陳代謝が促されたりします。「冷え」は身体に悪影響を及ぼす原因の1つです。入浴剤を入れたお湯につかって、心地よく冷え対策をしましょう。
2つめは、有効成分が含まれている医薬部外品(薬用入浴剤)を選べば、疲労回復や冷え症、肩こり、腰痛などをやわらげる効果が期待できるということ。さらに、あせも・ひび・あかぎれなど、肌を健やかに保つための予防効果も期待できます。
3つめは、セラミドやスクワラン、ヒアルロン酸といった保湿成分を配合した入浴剤には、肌の乾燥やカサつきをおさえる効果があること。もちろん日頃からボディクリームなどで保湿ケアすることが大切ですが、入浴剤を取り入れることでより肌のうるおいをキープできますよ。
監修者 やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原院 院長
宇井 千穂
入浴による温熱作用は体によいだけではなく、リラックス効果もあります。自分好みの香りや環境などを整えて、お気に入りの時間を演出できるとよいですね。
バスタイムをアップグレード!自分に合った入浴剤の選び方
入浴剤は「医薬部外品(薬用)」「化粧品」「雑貨」の3種類あります。
- 医薬部外品(薬用):有効成分により温浴効果を高める。疲労回復・肩こり・冷え症・あせもなどに効果・効能が認められている
- 化粧品:温浴効果は認められていない。保湿成分が配合されており、肌を整えてうるおいを保つのに役立つ
- 雑貨:成分などの特徴はなく、基本的にお湯の色や香りを楽しむアイテム
「医薬部外品(薬用)」「化粧品」「雑貨」の違いを知ったうえで、自分に合った入浴剤を選ぶようにしましょう。
①目的に合わせて種類を選ぼう
入浴剤のタイプは、「無機塩素系」「炭酸ガス系」「薬用植物系」「クール系」「スキンケア系」の5種類あります。それぞれおすすめの人やシーンが違うので、どれが自分に合っているかチェックしてみましょう♡
冷えが気になるなら無機塩類系を
もっともポピュラーな入浴剤が「無機塩類系」です。寒い冬場の入浴や、身体が冷えているときには、有効成分が配合された無機塩類系の薬用入浴剤がおすすめ。
温泉の成分と同様の有効成分である「硫酸ナトリウム」「硫酸マグネシウム」「塩化ナトリウム」「炭酸ナトリウム」などが配合されているため、温浴効果を高めて血行を促進する効果が期待できます。
さらに、成分に多く含まれるミネラルが皮膚表面のタンパク質と結びついて身体にベールを作ることで、保温効果をアップ!お風呂から上がったあとも、ぽかぽかな状態が長続きします。
監修者 やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原院 院長
宇井 千穂
温浴効果を高めることによって、かゆみや赤みが引き起こされてしまう場合もあります。温浴は時間を決めて適度に行うのがよいでしょう。
温浴効果による疲労回復なら炭酸ガス系を
疲れた身体をゆっくり休めたいときは、温浴効果が高いといわれる「炭酸ガス系」の薬用入浴剤がおすすめ。有効成分の「炭酸水素ナトリウム(重曹)」は炭酸ガスを発生させる成分です。炭酸ガスによって温浴効果を高め、血行を促進することで疲労回復効果が期待できます。
ブクブクした炭酸ガスの正体は二酸化炭素です。皮膚から入った炭酸ガスは、最終的に肺から呼吸で外に放出されるので、身体のなかに蓄積はしないといわれています。
また、「炭酸水素ナトリウム」は余分な皮脂汚れを落としやすくする効果もあるので、皮脂が原因で起こる背中ニキビや肌荒れの予防対策にもおすすめです。
監修者 やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原院 院長
宇井 千穂
炭酸ガス効果で温浴効果を高めて血行を促進するのはよいですが、途中で倒れることのないように適度に取り入れるようにしましょう。
肩こり・肌荒れなどにお悩みなら薬用植物系を
「薬用植物系」の入浴剤は、商品によって配合されている生薬が違うので、期待できる効果や作用はさまざまです。トウガラシやショウキョウ、トウキといった生薬には温浴効果を高めて血行を促進させて、冷え症・肩こり・腰痛などの症状を和らげる効果が認められています。
そのほかにも、保湿や消炎に効果のある生薬が配合されている入浴剤もあります。購入前に必ずパッケージに記載されている配合成分を確認して、自分に合った効果かどうかをチェックしましょう。
監修者 やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原院 院長
宇井 千穂
入浴剤でアレルギーが出ることもありますので、適度に取り入れてくださいね。
さっぱり感がほしいときにはクール系を
「クール系」の入浴剤は、メントールによる冷涼感やミョウバンなどによる収れん作用で、さっぱりとした使用感が特徴です。「暑い夏場は湯船につかる気になれない」という人や、「湯上り後の汗のベタつきが苦手…」という人におすすめです。
商品によって冷感度合いは違ってくるので、購入前に口コミなどをチェックするといいでしょう。また、液体・錠剤・顆粒などさまざまなタイプがあるので、保存スペースの広さや使いやすさなどで選ぶこともできます。
肌のカサつきが気になるときにはスキンケア系を
「スキンケア系」の入浴剤は、保湿成分が多く配合されていることが特徴。肌がカサつきやすい乾燥肌さんにおすすめです。セラミドやアミノ酸は肌にうるおいを与える成分で、スクワランは肌の表面にヴェールを作り、水分が蒸発するのを防ぎます。
手が届きにくくケアしづらい背中を保湿ケアできるのも、「スキンケア系」の入浴剤を使用するメリット。丁寧にボディケアをしたい人のお助けアイテムになるでしょう。入浴後はボディクリームを使ってしっかりケアしてくださいね♡
監修者 やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原院 院長
宇井 千穂
保湿はスキンケアのなかで特に大切なポイントです。入浴後の肌はとても乾燥しやすいので、入浴後10分以内に全身を保湿するように心がけてください。
②重視するポイントに合わせて形状を選ぼう
入浴剤の形状は、バスボムなどの「錠剤・固形」、バスソルトなどの「顆粒・粉末」、バスミルクなどの「液体」の3種類です。それぞれの特徴は以下をチェックしてください。
使い勝手がよく、かわいいデザインも豊富な「錠剤・固形」タイプ
タブレット状やバスボム・バスボールなどの「錠剤・固形」は、炭酸ガス系入浴剤に多いタイプです。一回分が個包装になっているアイテムがほとんどで、衛生的に保管できます。また、旅行などに持って行きやすいことも魅力です。
バスボールやバスボムは、さまざまな形をモチーフにしたり、ラメが入っていたりとおしゃれなアイテムが豊富なので、ちょっとしたプレゼントに喜ばれるでしょう。また、自分へのご褒美にもおすすめです。
コスパを重視するなら「顆粒・粉末」タイプ
入浴剤で多いのが「顆粒・粉末」タイプで、「薬用植物系」「クール系」「無機塩類系」の入浴剤はこのタイプの商品が多い傾向にあります。
ドラッグストアで気軽に購入できるうえ、低価格かつ大容量タイプでコスパのいいアイテムが多いので、毎日入浴剤を入れて湯船につかりたい人におすすめです。
また、香りの種類も豊富なので、自分好みの香りを見つけやすいでしょう。個包装のアソートパックなど、同じ大容量でも毎日香りや効果を変えてバスタイムを楽しめる商品もあります。
さっと素早く溶ける「液体」タイプ
「液体」タイプのバスミルクやバスオイルなどは、保湿成分がたっぷり配合された「スキンケア系」のアイテムが豊富。乾燥が気になる人は注目したいタイプです。
お湯にすばやく溶けることも魅力。お湯にとろみがつく商品は、肌あたりがよく、保温効果が高まるものが多いです。
③プレゼントするなら高級ブランドのものがおすすめ◎
入浴剤はおしゃれなデザインが多くプレゼントにぴったりなアイテムです。年齢を問わず女性にも男性にも喜んでもらえるでしょう。
友人や職場の先輩など大切な人へのプレゼントは、高級ブランドの入浴剤がおすすめです。なかでも、アユーラ・シャネル・サボンなどは、おしゃれでラグジュアリーなパッケージのアイテムが多いため、幅広い世代に喜ばれるはず。
また、日ごろの感謝などちょっとしたプレゼントやお返しには、クナイプ・ラッシュ・ロクシタンなどの有名ブランドのものを選ぶと無難で失敗しにくいでしょう。プレゼントにおすすめの入浴剤を知りたい人は、コチラの記事をチェックしてみてくださいね!
④リラックスタイムに使いたいなら香りも重要!
ゆったりとバスタイムを楽しみたいなら、香りも重要なポイントですよね。入浴剤にはシトラス系からフローラル系、オリエンタル系までさまざまな香りがあるので、自分好みの香りが見つかるはずです。
入浴剤に使われている主な香り- シトラス系(柑橘系):「レモン」「ベルガモット」など、フレッシュな香り
- フローラル系:「ローズ」「ジャスミン」「ラベンダー」など、華やかな香り
- ウッディ系:「ヒノキ」「シダーウッド」など、落ち着いた印象の香り
- ハーバル系:「タイム」「バジル」「ペパーミント」など、スッキリした香り
- オリエンタル系(ミルク系):「バニラ」「イランイラン」など、濃厚で甘い香り
もっと香りを楽しみたいなら、バスオイルなどを使うとアロマの香りで優雅なバスタイムが過ごせるでしょう。
入浴剤の効果を活かす!おすすめ入浴法
入浴剤を効果的に使って、バスタイムでゆっくりと疲れた身体を休ませましょう。入浴剤の効果を活かす入浴法のポイントをご紹介します!
お湯の温度は、約38〜40℃を目安に設定しましょう。夏は38~39℃、冬は38~40℃くらいがおすすめです。就寝前にぬるめのお湯につかることで、リラックスしているときに働く副交感神経が活動して自律神経が整い、睡眠の質が高まるといわれています。ゆっくりと額が汗ばむくらい時間をかけて入浴することで、身体の芯まで温まるでしょう。
入浴剤を投入するタイミングは、入浴前です。湯船に入るタイミングで同時に入浴剤を入れる人がいるかもしれませんが、入浴剤が完全に溶けた状態でお湯につかるようにしましょう。なお、炭酸ガス系入浴剤の場合は、入浴剤を入れてから2時間以内に入浴しないと炭酸ガスが時間とともに抜けてしまい、温浴効果が低下する可能性が高いです。
また、スキンケア系の入浴剤は、湯船からあがったあとにシャワーで洗い流さないのが保湿効果をキープするポイントです。
監修者 やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原院 院長
宇井 千穂
上記で紹介しているのはあくまで目安時間と考えて、無理のない入浴を心がけましょう。自身の生活に心地よく取り入れられるように、楽しいリラックス時間を過ごしてくださいね。
入浴剤に関するよくある疑問
入浴剤に関するよくある疑問点もあわせてチェックしておきましょう。
入浴剤を入れたお湯は追い焚きしてはいけないの?
配合成分によって追い焚きできるかどうかは異なります。以下の成分が含まれる入浴剤は、追い焚きによって給湯器が傷んでしまう恐れがあるので要注意です。
要注意の成分- 硫黄成分(温泉成分の無機塩類系などに配合)
- 塩化ナトリウム(バスソルトなどに配合)
- 酸化チタン(湯色が乳白色な無機塩類系などに配合)
- 炭酸カルシウム(炭酸ガス系に配合)
間違えて追い焚きしてしまった場合はすぐに停止して排水、浴槽内や可能であれば配管まで洗浄を行いましょう。追い焚きをしたい人は、パッケージに「追い焚き可能」といった文言が明記されている商品を購入するのがベターです。
入浴剤に使用期限はあるの?
入浴剤の使用期限は、未開封の状態で製造から約3年です。ただし、保存方法には注意が必要で、なるべく直射日光をさけて、風通しのいい涼しい場所で保管するようにしましょう。
また、一度開封したものは劣化が進む恐れがあるので、速やかに使い切ることをおすすめします。
残り湯は洗濯に使っても大丈夫?
入浴剤の成分と、洗濯洗剤や服の素材の相性によるので、入浴剤のパッケージを確認してから残り湯を使用するようにしましょう。温泉系の無機塩類系に配合される「イオウ成分」や湯色を白濁させる酸化チタンなどの「沈殿成分」が入っている入浴剤は注意が必要です。洗濯機の故障やサビの原因になることがあるため、残り湯の使用はさけましょう。
お湯にとろみがでる入浴剤の残り湯も要注意。衣類に吸水されなかったり、排水などで問題が生じたりする可能性があります。また、すすぎには残り湯は使わず、水道水を使って洗濯物に汚れが残るのを防ぎましょう。
バスタイムをもっと豊かに!お風呂で使うボディケアアイテムもチェック
バスタイムをもっと充実させたければ、ボディソープやスクラブなどのボディケアアイテムをアップデートするのもおすすめです。以下の記事では、LIPSで人気のおすすめ商品を紹介しているので、ぜひチェックしてくださいね。
入浴による温熱作用は体によいだけではなく、リラックス効果もあります。自分好みの香りや環境などを整えて、お気に入りの時間を演出できるとよいですね。