美肌の基本は“クレンジング”から!その理由や役割は?
クレンジングは、メイクなどの油分の汚れを落とすのに効果的なアイテム。クレンジングをしないと油分の汚れが毛穴に残りやすくなり、角栓や毛穴の黒ずみが目立つ原因に。古い油分が皮膚を包むことで、肌が硬くなったり、くすみが気になったりする可能性もあります。
またメイクの油分が肌に溜まった状態で化粧をすると、ベースメイクが均等につきにくくなり、ヨレの原因にもつながるので要注意。油性の汚れが残ったままだと、洗い落としたあとに使う化粧品が角質層まで十分に浸透しにくくなります。 クレンジングは美肌づくりをするうえで、大切な工程のひとつです!
ちなみに、洗顔料は古い角質や、汗・肌についたほこりなどの水性の汚れを洗い落としやすくするものです。どちらも洗い落とすスキンケアですが、それぞれの役割が異なります。
監修者 美容皮膚科医 / 表参道美容皮膚科 原宿本院 副院長
三宅真紀(みやけまき)
メイクを落とさずに寝てしまうと、ニキビ・肌荒れ・くすみなどの原因になるだけでなく、酸化した油分により年齢肌が進みます。必ず寝る前にはメイクを落とすようにしましょう。
簡単すっきりメイクを落とす!自分に合ったクレンジングの選び方
クレンジングといっても、たくさんの種類が販売されています。それぞれの特徴を理解して、自分の肌質や目的に合うものを選ぶことが大切。クレンジングを選ぶときのポイントを押さえておきましょう。
①メイクの濃さや肌質に合ったタイプを選ぼう
クレンジングといっても、オイル・ジェル・ミルク・バームといったさまざまな種類があります。メイクの濃さや、自分の肌質に合わせて、適したタイプを選んでください。
クレンジングオイルは、しっかりしたメイク・洗浄力を重視したい人向け
クレンジングオイルは油分が多く、とろみのあるテクスチャーが特徴。洗浄力が強いので、濃いメイクにもよくなじんで、汚れをスルッと洗い流しやすいタイプです。濡れた手で使えるものが多く、ウォータープルーフタイプのコスメや濃いメイクをしたときにおすすめ。
メイクとなじみやすいので、肌への摩擦を抑えて短時間でオフできることも魅力です。ただし洗浄力が強いので、保湿に必要な皮脂まで洗い流してしまい、肌のツッパリ感や乾燥が目立つことがあります。敏感肌さんや乾燥肌さんの場合は使用する頻度に注意し、十分な保湿ケアも意識して。
クレンジングバームは、濃いめメイク・乾燥が目立ちやすい肌におすすめ
バターのように濃厚で、なめらかなテクスチャーが魅力のクレンジングバーム。肌になじませる前は固形で、乾いた手にとって肌になじませると体温でやわらかくなります。クレンジングオイルと同様、洗浄力に優れていて、濃いメイクもしっかりと洗い流せます。
ダブルクレンジング不要のタイプが多いので、クレンジング後の洗顔を省きたい人や、時短スキンケアにもおすすめ!しかし、洗浄力が高いので肌が乾燥しやすいというデメリットも。空気に触れる面が大きいジャータイプの商品は雑菌が繁殖しやすいため、開封後は早めに切るのがポイントです。
クレンジングクリームは、乾燥肌さん・メイクオフ時の肌摩擦が気になる人向け
クレンジングクリームはなめらかなクリームのようなテクスチャーで、保湿力に優れていることが特徴。乾燥肌さんのメイクオフに向いています。また、クリームがクッションの役割をしてメイクオフ時の皮膚への摩擦をやわらげてくれるので、肌摩擦が気になる人にも◎。
ただし洗浄力は高くないので、しっかりとした濃いメイクや、ウォータープルーフのメイクを手早くオフしたいときには不向きです。さっぱりした洗い心地が好きな人も注意してください。
クレンジングミルクは、ナチュラルメイク・肌への負担が気になる人向け
乳液のように軽いテクスチャーが特徴のクレンジングミルク。洗浄力がマイルドで、すっぴんで過ごす休日や、薄めのナチュラルメイクを楽しんだときのメイクオフに向いています。さらに水性と油性の成分がバランス良く配合されているため、肌のカサつきやツッパリを感じにくいことも魅力です。
一方で、おだやかな洗浄力のため、濃いメイクや皮脂分泌が多い人には不向きといえます。薄めのメイクのときや乾燥が気になるとき用として、オイルやバームと使い分けるのも手です。
監修者 美容皮膚科医 / 表参道美容皮膚科 原宿本院 副院長
三宅真紀(みやけまき)
メイクの濃さやその日のお肌の状態に応じて、クレンジングの種類を使い分けることが大切です。クレンジング力が強すぎると、乾燥によりニキビやシワの原因になるので注意しましょう。
クレンジングジェルは、肌負担を少なくしたいときやベタつきが苦手な人向け
ジェル特有のトロッとしたなめらかさと、厚みのあるリッチなつけ心地が特徴的なクレンジングジェル。さっぱりとメイクオフしたいときや、肌への負担をやわらげながらメイクを落としたいときに向いています。
クレンジングジェルは以下の3タイプあり、目的に合わせて使い分けることも可能です。
- オイルフリーの水溶性ジェル…さっぱりとした使い心地で、軽いメイクやまつエクにおすすめ
- オイルインの水溶性ジェル…水性と油性の成分が配合されていて、デイリー使いにも◎
- 油性のジェル…油性の成分が多く、他のタイプよりも洗浄力が高い
オイルを含まない水溶性のジェルは、洗浄力がマイルドなので、濃いメイクは洗い流しにくいことも。一方、オイルインの水溶性ジェルは油分と水分の成分がバランスよく配合されています。洗浄力も肌へのやさしさもどっちも重視したいという人におすすめです。
クレンジングウォーターは、敏感肌さん・ベタつきが苦手な人にも◎
クレンジングウォーターはコットンに含ませてから使用する、拭きとりタイプのクレンジング。水分を主成分としているため、“水クレンジング”とも呼ばれています。
サラッとしたつけ心地で、メイクオフ後の洗い流す工程を省けるので、スキンケアを時短したい人におすすめ。洗い過ぎによる肌の乾燥を避けたい人や、オイルのベタつきが苦手な人、まつエクをしている人にも向いています。
一方で洗い流さないため、ウォータープルーフなどコスメの種類によっては十分に落ちにくいというデメリットも。メイクの濃さや、使用するコスメのタイプに合わせて使い分けてみましょう。
監修者 美容皮膚科医 / 表参道美容皮膚科 原宿本院 副院長
三宅真紀(みやけまき)
クレンジングジェルはお肌にやさしい使い心地なので、メイクが濃くないときの日常使いに向いています。
クレンジングウォーターは手軽ですが、毎日使うとコットンの摩擦や落ちずに残ったメイク・皮脂汚れにより肌荒れやニキビの原因になることもあるので気をつけてくださいね。
クレンジングシートは、クレンジング時間を短くしたい人向き
クレンジングシートは予めクレンジング剤がシートに含まれていて、シートで肌を拭くだけで手軽にメイクオフができるアイテム。洗い流す必要がないので、メイク落としに時間をかけたくないときや、面倒なときにぴったりです。持ち運びもしやすく、外出先やお泊り・緊急時のクレンジングにも◎。
シートで肌を擦るため、肌摩擦が起こりやすく、肌へ負担がかかりやすいことはデメリット。また洗浄力が高く、合成界面活性剤やアルコールを含むものも多いため、デイリー使いというよりは特別なときのメイクオフとして持っておくと便利ですよ。
アイメイクリムーバーは、アイライナー・マスカラを素早くオフしたいときに
アイメイクリムーバーは、その名のとおり液をコットンに含ませてアイメイクを手早くオフできるアイテム。洗浄力が高く、ウォータープルーフのアイライナーやマスカラも楽に落とせることが特徴です。
ポイントで使用するため、他のクレンジング剤と併用する必要があり、メイク落としに手間と時間がかかることは難点。とはいえ、メイクが残ったままだと肌悩みにつながる原因になるので、濃いメイクや落ちにくいメイクをしたときは使用をおすすめします。
監修者 美容皮膚科医 / 表参道美容皮膚科 原宿本院 副院長
三宅真紀(みやけまき)
クレンジングシートやアイメイクリムーバーを使うときは、早く落としたくても強くこすらないように気をつけましょう。強い摩擦は肌荒れの原因になります。どちらも洗浄力が高いものが多いので、敏感肌の人はなるべく使わないほうがいいでしょう。
②【保湿・毛穴ケア・低刺激】目的に合った成分が配合されているかチェック!
乾燥・毛穴・敏感肌など、肌のお悩みは人によって異なります。クレンジングを選ぶときは、自分の肌悩みやケアの目的に合う成分が配合されているかも大事。購入前に、成分表やパッケージをチェックしてみましょう。
肌の乾燥・カサつきが目立ちやすい人は、保湿成分が多いものを選んで
肌の乾燥が気になるときは、保湿成分が多く配合されているクレンジングがおすすめです。特にヒアルロン酸・グリセリン・セラミド・コラーゲンなど、保水力に優れた成分が配合されているかをチェックしてみてください。
クレンジングは洗い流してしまいますが、保湿成分が配合されていると肌のうるおいを守りながらメイクオフができ、洗い流した後の肌がカサつきにくくなります。うるおいを溜めこむ力が低下しやすい乾燥肌さんの場合は、1種類だけでなく、複数の保湿成分が配合されているものを選んでみましょう。
毛穴が気になる人は、肌にハリを与えてくれる成分をチェック!
毛穴が目立つ原因のひとつが、“余分な皮脂”です。余分な皮脂が毛穴に溜まると、毛穴の開きが目立ったり、毛穴に詰まって角栓になったり、詰まった皮脂が酸化して毛穴が黒ずんで見えたりすることがあります。
毛穴が気になるときは、余分な皮脂をさっぱりと洗い流しやすくする成分や、肌にハリを与えたり、引き締めたりする成分が配合されているものを選んでみましょう。以下の成分を参考にしてみてください。
- 酵素(パパイン・リパーゼなど)…タンパク汚れを分解し浮かせて洗い落ちやすくする
- AHA・サリチル酸など…お肌をやわらかくし毛穴汚れが落ちやすくする
- クレイ(ガスール・カオリンなど)…余分な皮脂や古い角質を吸着し洗い流しやすくする
敏感肌・肌悩みが気になる人は、“低刺激処方”のものがベター
敏感肌の人や肌の調子が悪い人は、できるだけ皮膚への刺激が弱いクレンジングを選びましょう。“〇〇テスト済み”という表示は選ぶときの判断基準の1つです。まったく肌に刺激がないわけではありませんが、クレンジングを選ぶときの参考にしてみてください。
- 敏感肌向け
- スティンギングテスト済み*¹
- アレルギーテスト済み*²
*¹ 必ずしもすべての人のお肌にかゆみや、ヒリヒリとした刺激が起こらないというわけではありません。
*² 必ずしもすべての人にアレルギーが起こらないというわけではありません。
監修者 美容皮膚科医 / 表参道美容皮膚科 原宿本院 副院長
三宅真紀(みやけまき)
肌質に応じたクレンジング選びはとても重要です。敏感肌や乾燥肌の人はピーリング剤が配合されているものなど、皮膚への負担が懸念されるものは避けましょう。
③メイクやスキンケアのスタイルに合っているかも大事
クレンジングは頻繁に使うアイテムだからこそ、使いやすさにも注意して選びたいところです。自分に合ったタイプや成分がわかったら、以下のポイントを参考に選んでみてください。
- ウォータープルーフ対応…洗浄力が高く、耐久性の高いメイクも落としやすい
- まつエクOK…まつエクをしたままメイクオフが可能
- 濡れた手で使える…洗面台や、浴槽で手が濡れていてもメイクオフができる
- W洗顔不要…クレンジングのあとで、洗顔をしなくてもOK
さらにしっかりとクレンジングするためには、メーカーやブランドが推奨する適切な量を使用することも大切です。適した使い方も事前にチェックしておきましょう。
どの工程でも“やさしく”がポイント!クレンジングの正しい使い方&注意点
クレンジングにはさまざまなタイプがありますが、共通して注意したいポイントがあります。メイクをすっきりキレイにオフするためにも、正しい使い方・注意点をチェックしておきましょう。
クレンジングの正しい使い方- メイクオフ前に手を洗浄し、清潔な状態に整える
- 先に目元・口元のポイントメイクをオフする
- Tゾーンから両頬・目元・口まわりの順にクレンジングをなじませる
- ぬるま湯(30~32℃程度)でしっかりと肌をすすぐ
- 清潔かつ肌触りがやわらかいタオルで、軽くポンポンと顔の水分を拭きとる
色が濃かったり、落としにくかったりするポイントメイクは、アイメイクリムーバーを使って先に落としておくのがおすすめです。さらに、肌への負担をできるだけ抑えるために、以下の点にも注意してみてください。
クレンジング時に注意したいこと- 1回のクレンジングで推奨されている使用量を守る
- 乾いた手・お顔にクレンジングを使用する
- 皮膚をゴシゴシと強くこすらない
- クレンジングに時間をかけすぎない
- しっかりとクレンジングを洗い流す
1回あたりの使用量が少なすぎると、メイクがしっかり落ちきらなかったり、肌との摩擦が起こりやすくなったりします。メーカーが推奨している使用量を守りながら、クレンジングの成分が皮膚に残らないように、しっかりと肌をすすぐのがポイントです。
監修者 美容皮膚科医 / 表参道美容皮膚科 原宿本院 副院長
三宅真紀(みやけまき)
どの種類のクレンジングを使っても摩擦は厳禁です。摩擦は肌荒れやシミの一種である肝斑の原因にもなります。クレンジングは清潔な手で行うこと、お肌にやさしく触れることを心がけましょう。
クレンジングに関するよくある疑問をチェック
クレンジングに関するよくある疑問点もチェックしておきましょう。
クレンジング後に洗顔は必要?
基本はクレンジング後には洗顔をして、メイクオフ時に落としきれない汚れを洗い流すのがポイント。クレンジング剤はメイクの油分や油性の汚れを洗い落とし、洗顔は水溶性のほこりや、汗・余分な皮脂を洗い流す役割があります。洗い流すケアでも目的が異なるので、両方を使うようにしましょう。
ただしW洗顔不要のタイプは、クレンジングと洗顔を兼ねたお手入れが可能なため、必ずしも洗顔をする必要はありません。おすすめの洗顔料を詳しく知りたい人は、こちらの記事も一緒にチェックしてみてください。
ノーメイクや日焼け止めだけの日もクレンジングするべき?
毛穴の黒ずみが気になるときや、皮脂分泌が活発になりやすい脂性肌さんの場合は、ノーメイクで過ごした日でもクレンジングを行うのがポイント。クレンジングは油分を浮かせて洗い流しやすくするので、余分な皮脂や、毛穴に詰まりやすい汚れをすっきりさせてくれます。
また日焼け止めだけ過ごした日であっても、基本はクレンジングでメイクオフをしましょう。日焼け止めの成分には油溶性の成分も含まれているものが多く、肌に残ったまま過ごしていると毛穴づまりや、肌荒れの原因になる場合も。石けんでメイクオフが可能なものや、クレンジング不要のタイプ以外は、クレンジングで洗い流すようにしましょう。
クレンジング後のスキンケアのコツは?
クレンジング後は、なるべく時間を空けずに化粧水や乳液、クリームなどで肌にたっぷりとうるおいを与えることが大切です。メイクを落としたあとに長時間も何もつけずに過ごしていると、肌本来の水分が蒸発して肌の乾燥につながる原因に。
LIPSユーザーが選ぶおすすめのスキンケア商品は、こちらからチェックしてみてくださいね。
メイクを落とさずに寝てしまうと、ニキビ・肌荒れ・くすみなどの原因になるだけでなく、酸化した油分により年齢肌が進みます。必ず寝る前にはメイクを落とすようにしましょう。