ワセリンの効果的な使い方【保湿だけじゃない！マルチな美容アイテムの裏技教えます】　

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油分であるワセリンは、肌に薄い膜を張ることで”保湿”と”保護”の2つの効果を発揮する成分です。美容や健康目的でのワセリンの効果的な使用方法は、大きく分けて2つあります。

• 保湿剤として肌の潤いを閉じ込める使い方
• 保護剤として外部の刺激から肌を守る使い方

ワセリンは化粧品や医薬品の原料で、石油から作られる油性成分です。石油から作られる油性成分は、ほかにベビーオイルに使用されるミネラルオイルなどがあります。液体のミネラルオイルに対して半固形のワセリンはペーストの形状を活かして、化粧品ではクリーム、薬では軟膏などの基材（ベース）として使われ、ワセリンだけで使うこともできます。

石油から抽出する際に不純物を取り除いているので肌の刺激になりにくく、優しい使い心地の成分です。

ワセリンは抽出精度によって、”黄色ワセリン”と”白色ワセリン”に分けられます。色が白くなるほど抽出精度が高く、不純物が少ないワセリンです。白色ワセリンのなかにはさらに純度が高く、商標登録されている”プロペト”と”サンホワイト”があります。

• 黄色ワセリン：お手軽ですが不純物がやや多いため、赤ちゃんや敏感肌の場合は注意が必要
• 白色ワセリン：最もメジャーなワセリンで、病院の処方薬などに使用されている
• プロペト：白色ワセリンからさらに不純物を取り除いたもので、刺激が少なく粘膜にも使用可能だが、光に弱い
• サンホワイト：最も純度が高く紫外線の影響も受けにくいため、乾燥性敏感肌にも適しているが、価格が高め

成分表示では、区別せずにいずれも”ワセリン”と記載される場合があります。保湿力に違いはなく刺激の差も僅かですが、効果が感じられなかったり刺激を感じる場合はより純度の高いワセリンを選ぶのがおすすめです。

ワセリンの効果を代表するのが”保湿”です。肌に油分の膜を張ることで、角層にある水分が蒸発するのを防いでうるおいを守ります。肌に蓋をする役割の保湿剤です。

ワセリンの保湿効果は、水分の蒸発を防ぐことです。肌に水分や保湿成分を補う効果はありません。同じ油分がメインのアイテムでも、セラミドなどの保湿成分が配合されたクリームとは保湿効果が異なります。ワセリンは粒子が大きいので肌にはなじみにくく、保湿クリームと比較すると肌の保湿力は高くありません。

「肌断食でワセリンだけを顔に塗って寝る」こんな美容方法をしていたら、肌状態が悪化して乾燥肌になってしまうことがあります。内側からのうるおいが足りていない乾燥肌は、ワセリンだけを塗っても保湿できません。パサパサのお肉にラップをしても、みずみずしいお肉に戻らないのと同じです。ワセリンは化粧水や美容液で肌に水分や保湿成分を与えて肌をうるおいで満たした後に、水分を閉じ込めるための保湿剤として使うものと認識しておきましょう。

意外と知られていないワセリンの効果が、肌の“保護”作用です。油分で肌表面に薄い膜を張り、外からの刺激や異物の侵入から肌を守ります。

加齢や紫外線などによって肌を保護するバリア機能が低下すると、肌は保湿力を失って乾燥し、刺激に弱い”敏感肌”になります。ワセリンはこのバリア機能の代わりになって、外部刺激から肌を保護し、肌あれなどの肌トラブルを防ぎます。

ワセリンが赤ちゃんにもよく使われるのは、デリケートな赤ちゃんの肌をおむつの摩擦などから保護するためです。

ここからは具体的に、ワセリンの効果的な使い方をご紹介します。ワセリンの”保湿”と”保護”のはたらきを活かして、肌の乾燥を防いだり肌あれを防いだりする使い方です。プラスでワセリンの油分を活かした、洗浄剤としての効果的な使い方もお教えします！

王道のワセリンの使い方は、保湿剤として肌の水分を逃さないように蓋をすること。顔の保湿はスキンケアの最後に、乾燥しやすい部分に薄く塗りましょう。ボディに塗るのは入浴直後、肌が水分でうるおっている状態が最も効果的です。肌を柔らかくする効果はないので、肘や膝、かかとなどの固くなった皮膚はワセリンを塗るだけでは現状維持以上にはなりません。

家事など水仕事をする人は、ハンドクリームとしてワセリンを塗ってから行うと、手荒れを防ぐことができます。

乾燥しやすい唇の保湿に、ワセリンはとても効果的です。ワセリンを直接唇に塗ったりワセリン配合のリップを使ったりすれば、乾燥やカサカサがしっとりします。唇の荒れ防止に効果的なハチミツとワセリンを半々で混ぜて唇に塗り、ラップをしてしばらくおくと簡単なパックができます。

ワセリンの唇ケア方法をもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もチェック！→　唇荒れにワセリンを塗っても大丈夫？正しいワセリンの塗り方をコスメコンシェルジュが徹底解説

ジェルネイルやリムーバーで傷んだ爪にワセリンを塗ると、ネイルオイルの代わりになって乾燥を防ぎツヤを与えます。液状のオイルよりも半固形のワセリンのほうが、爪に長くとどまって油膜の効果を発揮しやすく、扱いやすいのもポイントです。

ワセリンの”油膜による肌の保護”効果を利用して、花粉の対策が可能です。花粉が気になる時期に鼻の穴周りやまぶた付近などにワセリンを塗っておくと、花粉が直接皮膚に付着するのを防ぎます。

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ワセリンによる”保護”効果では、マスク装着による肌あれを防ぐことができます。マスクの端や耳に掛ける紐が直接肌に当たる部分にワセリンを薄く塗っておくと、肌への摩擦を防ぐことができ、赤くなって跡がついたり、擦れて乾燥するのを軽減します。

”油分で油性の汚れをとる”という効果を利用して、クレンジングでは落とし切れなかったアイメイクやリップなどの細部のポイントメイクを取ることができます。

綿棒に適量のワセリンをとり、そのままポイントメイクに馴染ませて擦らないように汚れを移し取ります。ペースト状だから肌の上にとどまってメイクと馴染みやすく、アルコールや界面活性剤も入っていないので目の際でも沁みにくいです。

油分で油分を吸着するという効果を利用して、ワセリンでメイクブラシのお手入れができます。適しているのはリップブラシやファンデーションブラシなど、毛の表面が油分でコーティングされたタイプです。動物の毛で作られ皮膜で覆われたブラシは、水分や界面活性剤を使って洗浄すると柔らかさがなくなってパサパサになり広がってしまうからです。

ワセリン少量を取ってメイクブラシを何度もなじませてからコットンやティッシュで拭き取るだけで、ブラシの中に入っていた汚れが取れて清潔に保てます。

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ワセリンを使うことが、肌にとってデメリットになることもあります。ニキビが悪化する場合があるからです。

油分はニキビの原因であるアクネ菌のエサとなるため、ワセリンを使うことでニキビができる、悪化するなどの可能性があります。毛穴を詰まらせる角栓も皮脂からできているので、ワセリンの鼻パックも、避けたほうが無難です。

ニキビができている人やできやすい人、毛穴の詰まりが気になる人は、ニキビや毛穴が気になる部分にはワセリンを使わないのがおすすめです。

ワセリンを初めて使う方におすすめの、お手軽価格の黄色ワセリン。”ヴァセリン”はワセリンを英語表記したブランド名です。ワセリンを美容アイテムとし効果的に使うのを広めた代表的な市販アイテム。「工場の機械についた油を肌に塗ったら、肌がしっとりした」ことから開発された、というブランドヒストリーがあります。

40g、80g、200gとサイズのバリエーションがあるので、用途に合わせていくつか持っておくと便利です。酸化防止のためにトコフェロール（ビタミンE）が配合されています。

敏感肌の方や幼児や赤ちゃんが使う場合は、白色ワセリンがおすすめです。［ペトロリュームゼリーHG］は製薬会社が作っている”白色ワセリン”で、医薬品ではなく化粧用油として化粧品として販売されているものなので、美容アイテムとして使用するのに適しています。日光に当たると変質や日焼けの原因となるので、使用部位が直射日光に当たらないように注意が必要です。中蓋つきで、ワセリンの乾燥を防げるのも◎。

ピジョンは赤ちゃん用のスキンケアメーカーなので、低刺激にこだわったワセリンです。赤ちゃんの肌荒れ防止に使うことも想定されているのでやわらかめで伸びがよく、ベタつきにくいのが特徴。ワセリンのべたつきが気になる方や、広範囲にワセリンを伸ばして使いたいときにおすすめです。

化粧品ではなく医薬品として販売されている白色ワセリンです。化粧品のワセリンと保湿や保護の効果や使い方に変わりはありませんが、一般的には医薬品のほうが良くも悪くも肌への作用が大きいということになります。

医薬品なので怪我をしたときの傷の手当などにも使え、コスパも良いので一家にひとつあると便利です。

白色ワセリンをさらに純度を高く精製し、不純物を取り除いた医薬品のピュアワセリンです。「白色ワセリンでも少し刺激がある」という敏感肌の方、「イマイチ効果が感じられない」という乾燥肌の方は、こちらを使ってみるのがおすすめです。チューブタイプで取り出しやすいので量も調整しやすく、ズボラさんや面倒くさがりの方、子供、メンズ、高齢者にも使いやすいアイテムです。

最も純度が高く、不純物が少ない高品質の白色ワセリンが［サンホワイト］です。アレルギーテスト済み（全ての方にアレルギーが起こらないというわけではありません。）で刺激が少なく、赤ちゃんや敏感肌でも使えます。特徴は、紫外線の影響を受けにくいこと。不純物を高精度で取り除いているため、紫外線の影響でワセリンが酸化するのを防ぎます。

分類は化粧品で、ほかのワセリンと比べる価格が少々高めなのがデメリットですが、乾燥性敏感肌の方はまずはこの商品から試すのがおすすめです。

唇の乾燥や、口周りのケア向けのワセリンです。スティックタイプのリップだと唇を擦って刺激になってしまいますが、［ベビーワセリンリップ］は吐出口が細い斜めカットのチューブタイプで、指を汚さずに塗れて便利です。成分は純度の高い白色ワセリン100％なので、唇以外の部分にも使用ＯＫ。化粧ポーチに携帯しておけば、リップグロスとしても役立ちます。

ワセリンに微量の有機顔料を加えた、リップ用のワセリンです。保湿と同時にほんのりとピンクに唇が色づくので一石二鳥。すっぴんの時に使えば血色がよくなって肌色を明るくし、メイクではグロスとして使うこともできます。縦横たった3.5センチのミニタイプで、持ち運びにも便利です。

ロングセラーの保湿クリームのニベア青缶は、ワセリンも高濃度で配合されています。クリームなので水もベースになっており、保湿クリームとしては固めですがピュアなワセリンよりは伸びがよく、肌に馴染みやすいのが特徴です。ワセリンのほかにもグリセリンなどの保湿成分や、ミネラルオイルやパラフィン、スクワランなどのエモリエント効果のある油性成分を豊富に配合。ワセリンの効果を享受しながらも、べたつきを抑えて保湿できます。

ワセリンの水分を閉じ込める効果にプラスして、肌の水分を集めてうるおいを保つ”尿素”を配合した医薬品の保湿クリームです。尿素には固くなった角質をやわらかくする効果もあるので、ワセリンだけでは改善しにくいひどい手荒れやかかとのひび割れなどにおすすめです。さらっとした使用感で、ワセリンのべたつきが苦手な方にも抵抗なく使えます。

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ワセリンは刺激が少なく、安価でお手軽な保湿アイテム。保湿はあくまでもうるおいに蓋をするだけなので、ほかの化粧品と合わせて使うことがポイントです。

肌を刺激から保護するバリアのはたらきもあり、全身にいろいろな用途で効果的な使い方ができます。自分のオリジナリティを発揮して、ワセリンをマルチに使える美肌アイテムとして活用してみませんか？