
ヨーグルトの一日の摂取量は何グラム?食べ過ぎによるデメリットやダイエット効果を解説
ヨーグルトは、整腸作用や免疫力アップ・ダイエット・血糖値の低下など、美容や健康増進の役に立つイメージがある発酵食品のひとつ。しかし、ヨーグルトをたくさん摂れば摂るほど健康につながるとはいえません!ヨーグルトは、食べ過ぎることで体に負担をかけてしまうといったデメリットも。ヨーグルトは一日に摂る適切な摂取量があるんです。
今回は、ヨーグルトの特徴や効果・メリットのほか、一日の摂取量の目安を紹介。また、食べ過ぎることで起こるデメリットや食べ過ぎたときの対処法まで詳しく解説します!
生活にヨーグルトをうまく取り入れ、健康増進に役立てましょう!

管理栄養士・パーソナルトレーナー伊藤 美里
パーソナルトレーナー歴10年以上。 大学で運動生理学やスポーツ栄養学などを学び、栄養士・管理栄養士・NASM(全米スポーツ医学協会)の運動指導者資格を取得。内科クリニックや大手フィットネスクラブでの勤務経験を経て、現在は、東京世田谷区にある女性専用パーソナルトレーニングジムにて、運動指導、食事指導など、お客様を理想の身体へ導くためのサポートを行う。 日本スポーツ栄養協会員。その他活動として、地域住民の健康維持増進のための講座や、Webメディア・雑誌の記事監修も行う。続きを読む
ヨーグルトの一日の摂取量は何グラム?何個まで?

整腸効果や美肌効果・ダイエット効果など、ヨーグルトと聞いて健康によいイメージがある方も多いでしょう。しかし、健康増進に役立つヨーグルトも、食べ過ぎは禁物。
ヨーグルトは、食べ過ぎることでデメリットとなることもあり注意が必要なんです。日々どれくらいの量のヨーグルトを摂取すれば良いのか知っていますか?
ヨーグルトの一日の摂取量の目安は、年代によっても異なります。成人・子ども・乳児それぞれの一日の摂取量の目安を詳しく解説するので、ぜひ参考にしてくださいね!
監修者
管理栄養士・パーソナルトレーナー伊藤 美里
成人:200g〜300g(小サイズ一日3個程度)

成人の場合、一日のヨーグルトの摂取量の目安は200g程度。400gの大きいサイズのパックであれば半分ほど、4つに分けられた小さいサイズのものであれば3〜4個程度が目安です。
また、スポーツなどで体をよく動かす男性は、最大でも300gまでに抑えるのが良いとされています。
一日200g程度が目安といわれていても、牛乳やチーズなどほかの乳製品もあわせて摂る場合は、脂質オーバーとなってしまう場合もあるため注意が必要です。
ヨーグルトにはカルシウム・たんぱく質・乳酸菌などの成分も含まれています。ヨーグルトを食べ過ぎることで健康に悪い影響が出ないよう、目安の摂取量を意識しながら取り入れましょう。
子ども:100g〜200g(中サイズ一日1個、小サイズ一日2個程度)

6歳以上の子どもであれば、一日のヨーグルトの摂取量の目安は成人の場合と同じ量と考えてOK!一日100〜200gを目安にしましょう。あくまでも目安なので、お子様にヨーグルトを与えるときは、お子様の体格も考慮して量を調整すると良いですよ。
子どもの場合、成人と違うのは"ヨーグルトを食べ過ぎることで満腹になってしまう場合がある"こと。ヨーグルトを食べ過ぎることでほかの食事が入らず、基本の食事が食べきれなくなってしまうことがあります。
お子様にヨーグルトを与えるときは、体格だけでなくそのときの食欲も考慮しながらヨーグルトの摂取量を調整するようにしましょう。
乳児:50〜100g(小サイズ一日1個程度)

乳児にヨーグルトを与える場合の目安は、生後7ヶ月~1歳以降とされています。生後どれくらいなのか、また、食欲・体格を考慮して量を調整するようにしましょう。
また、乳児であれば、小分けにしてあげるのもおすすめです。
- 生後7~8ヶ月頃の場合:50~70g
- 生後9 ~11ヶ月頃の場合:80g
- 生後12~18ヶ月頃の場合:100g
参考:厚生労働省/授乳・離乳の支援ガイド
4つに分けられた小さいサイズの場合は、1パックがおよそ70g。生後7~8ヶ月頃の場合で、1個程度が目安です。
1歳以降の場合は、一日の乳製品の摂取量は200g程度。ヨーグルト以外の乳製品の摂取量とあわせて200gが目安になるように考えます。たとえば、牛乳を100g飲む場合は、ヨーグルトは100gに抑えるようにしましょう。

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普段の生活にヨーグルトを取り入れたいと思っている方は、人気のヨーグルトをランキングでチェックしておきましょう!
ヨーグルトの効果・メリット

腸活やダイエットの味方ともいわれ、健康や美容にも良いイメージのあるヨーグルト。ヨーグルトを食生活に取り入れることで、具体的にどんなメリットがあるか知っていますか?
まずは、ヨーグルトを食べることで得られる効果を詳しく解説します!普段の生活にヨーグルトを取り入れたいと思っている方は、得られる効果を押さえておきましょう。
整腸作用
ヨーグルトは、乳に乳酸菌・酵母を混ぜ発酵させて作られている発酵食品。ヨーグルトには、乳酸菌が豊富に含まれています!
乳酸菌とは、善玉菌の一種。ビフィズス菌も同じく、善玉菌の一種です。善玉菌は、食物繊維を発酵・分解しながら生きているもの。発酵や分解をするときに作られる酸が、腸内の悪玉菌の増殖を抑え排便を促します。
ヨーグルトはスムーズな便通を促す効果が期待できるため、腸内環境の改善を目指している方にもおすすめなんです。
血糖値を下げる

ヨーグルトは血糖値の低下にも効果的であるといわれています。血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度を数値で表したもの。一般的には、食事を摂ることで血糖値は上昇するといわれています。
ヨーグルトに含まれている乳酸には血糖値を低下させ、摂った食事をゆるやかに小腸まで移動させる効果があります。そのため、小腸で急激に糖が吸収されるのを防いでくれるんです!
ヨーグルトは血糖値の高い方にもおすすめですよ。
免疫力をアップ

ヨーグルトは体の免疫力を高め、風邪などの細菌やウイルスが原因となる病気を抑制してくれます。
ヨーグルトは、前述したとおり乳酸菌が豊富に含まれている発酵食品。ヨーグルトに含まれる乳酸菌・ビフィズス菌などの善玉菌が、食物繊維を分解する際に作られる短鎖脂肪酸により免疫力を高めてくれます!
細菌やウイルスといった有害物質から体を守っている細胞の7割は、小腸と大腸にあります。乳酸菌とビフィズス菌それぞれ善玉菌が働く場所が異なり、乳酸菌は小腸で、ビフィズス菌は大腸で働きます。
特に、小腸にある腸内細菌は、生きた善玉菌でなくても免疫を高める働きがあるんです。
監修者
管理栄養士・パーソナルトレーナー伊藤 美里ヨーグルトなどの発酵食品は腸内環境を整え、腸内フローラを活性化することで代謝を向上させる効果もあります。健やかな体づくりのためには、毎日の食生活に取り入れつつ、バランスの取れた食事と組み合わせることが大切です。
ヨーグルトを食べる頻度は?毎日は良くない?

整腸作用や免疫力アップなど体に嬉しいメリットを与えるヨーグルトですが、実はヨーグルトには即効性はありません。乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌は、たった数日で腸内からいなくなってしまうため、一日や二日ヨーグルトを食べただけではすぐに効果は現れないんです。
しかし、毎日ヨーグルトを食べ継続して腸に善玉菌を補充することで、効果が得られやすくなるのは事実。できるだけ毎日継続してヨーグルトを食べるのがおすすめです!

ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌の数は、ヨーグルト100mlに対してなんと10億個以上!ヨーグルトを摂取することで、腸内細菌の仲間の善玉菌を増やすことができます。
腸内環境が整うことで、便通を改善したり老化防止や筋力低下・肌荒れ防止をしたりといったさまざまな効果が期待できます。
監修者
管理栄養士・パーソナルトレーナー伊藤 美里腸内環境のためには、乳酸菌やビフィズス菌のほか、納豆菌や酪酸菌などさまざまな善玉菌を取り入れることも重要です。また、動物性と植物性の発酵食品をバランスよく取り入れることで、より一層効果を高めることができます。継続は力なり!
ヨーグルトの食べ過ぎで病気になる?デメリットは?

ここからは、ヨーグルトの食べ過ぎが引き起こすデメリットについて解説します。
ヨーグルトの効果・魅力だけでなく、食べ過ぎといわれるヨーグルトの基準の量や、ヨーグルトを食べ過ぎることで引き起こす体調不良の可能性についても押さえておきましょう。
一日の量400g以上は食べ過ぎ?

1パックに400gが入った大きなサイズのヨーグルトを一日で食べるのはおすすめしません。400gを一日で食べ切るのは「食べ過ぎ」に値します!
人によっては400gを一日で食べたことで、体の調子が良くなったという声も見受けられます。基本的には目安量を基準にヨーグルトを摂取するのがおすすめです。
食べ過ぎによる体調不良を引き起こす可能性もあるので、摂取量には注意しましょう。
下痢や腹痛を引き起こす

牛乳などの乳製品を摂ることで、お腹がゴロゴロしてきて下痢になってしまう方もいるでしょう。これは乳糖不耐症による症状のひとつ。乳製品に含まれている乳糖(ラクトース)を分解する酵素「ラクターゼ」が少ない方によくある症状です。
ヨーグルトも乳製品のひとつ。乳糖不耐症の方であれば、ヨーグルトを食べることでお腹を壊してしまうことがあります。
酵素「ラクターゼ」は、体温に近い温度になると活性化されるのが特徴。乳製品を摂ることで起こる下痢が心配な方は、ヨーグルトを少し温めてから食べるのがおすすめです。あたためた状態のヨーグルトを摂ることで、お腹を壊しにくくします。
脂質の過剰摂取で太る

ヨーグルトは、食べ過ぎることで脂質の過剰摂取になり、太ってしまう場合があるため注意が必要です。
ヨーグルトに含まれる脂質は、無糖であるプレーンヨーグルトの場合で100gあたり3.0gほどです。1カップ(112g)であれば脂質はなんと4.2g。ヨーグルトに含まれている脂質は少なくないんです。
乳製品に含まれている脂質には、血液中の中性脂肪やコレステロールを上げやすい飽和脂肪酸が多いのが特徴。いくら脂質がエネルギー源として欠かせない栄養素でも、摂りすぎは十分注意しましょう。
ビタミン不足になる可能性も
ヨーグルトには、ビタミンCやビタミンD・ビタミンEなどの栄養素がほとんど含まれていないため注意!栄養が豊富に含まれているように思えるヨーグルトでも、ヨーグルトだけの摂取ではビタミン不足になる恐れがあります。
一日の食事をヨーグルトに置き換える摂り方は、栄養バランスが偏ってしまう恐れがあるため避けましょう!
体臭が気になることも

ヨーグルトを食べ過ぎると、腸内環境の乱れが原因で体臭や口臭が気になることがあります。
特に乳糖を消化しにくい方や乳糖不耐症の方は、腸内でガスが発生しやすくなり、それが臭いの一因となることも。また、動物性たんぱく質の摂取が多い食生活は、汗に含まれるアンモニアの量を増やし、体臭につながる可能性があります。
体臭を防ぐためには、ヨーグルトの摂取量に気をつけるだけでなく、普段の食事全体のバランスにも配慮することが大切です。
監修者
管理栄養士・パーソナルトレーナー伊藤 美里ヨーグルトは、乳糖不耐症の場合でも比較的消化しやすいとされますが、消化酵素による乳糖分解が不十分の場合は、消化不良の症状を引き起こす可能性も。個々の体質によっても異なるため、まずは少量から試してみると◎
ヨーグルト摂取のベストタイミング《ダイエット・健康維持目的》

ダイエットや健康維持のためにヨーグルトを摂取するのに、おすすめのタイミングがあるのを知っていますか?ヨーグルトを摂ることで、ダイエットや便通改善・美肌などの効果を狙っている方は、より良いタイミングで摂ることをおすすめします!
ヨーグルトを摂るおすすめのタイミングは、"夕食のとき"。ヨーグルトは、加工せずともすぐ食べられる手軽さから、一般的に朝食やおやつとして食べるイメージも強いでしょう。しかし、一日のなかで最も効果的といわれているのは"夕食時"なんです。
夕食のタイミングがおすすめされる理由は2つあります。
- 夜の時間帯のほうがカルシウムの吸収率が高いから
- 空腹時だと胃酸の酸性度の高さで善玉菌が死んでしまうから
2つの理由を詳しく見ていきましょう。

夕食のタイミングがおすすめされる理由のひとつは、夜の時間帯のカルシウムの吸収率が高いから。朝食時と比べると夜のほうがカルシウムの吸収率が高いことがわかっており、朝食時よりも夕食時に食べるほうが効果的です。
生きたままの乳酸菌やビフィズス菌を腸まで届けるためには、食事中もしくは食後に摂るのが望ましいです。

ふたつ目の理由は、空腹時だと胃酸の酸性度の高さで善玉菌が死んでしまうから。
空腹のときの胃のなかは、胃酸で酸性度が高まっている状態です。空腹時だとヨーグルトに含まれた乳酸菌やビフィズス菌が死んでしまい、生きたままの状態で腸まで届けられなくなります。より多く生きた善玉菌を腸まで届けるためにも、食事中もしくは食後に摂るのがおすすめです。
腸内環境が整っていれば、体のなかの老廃物がしっかり排出されやすくなります。老廃物がたまりづらく太りにくい体づくりにも、ヨーグルトは役に立つでしょう。
監修者
管理栄養士・パーソナルトレーナー伊藤 美里乳酸菌などを含むヨーグルトは、食後に摂取することで生きたまま腸に届きやすくなりますが、実は、生きた乳酸菌だけではなく、胃酸でやられて死んだ乳酸菌の細胞なども、腸内細菌の餌となることで腸の健康をサポートしてくれます。
ヨーグルトを食べ過ぎた場合の対処法

もしヨーグルトを基準の量よりも多く食べてしまったときの対処法があります!体に負担をかけないための方法を押さえておきましょう。
- お腹の調子が悪くなったら水分を摂り体を温める
- なるべく負担をかけないよう消化に良いものを食べる
- 乳糖不耐性が原因の下痢の人は食べる量を減らす

ヨーグルトの食べ過ぎで腹痛や下痢などお腹の調子が悪くなってしまった場合は、水分を摂ることと体を温めることが大切です。常温のお水を十分に摂り、お腹を温め冷やさないように気をつけましょう。
また、食事は消化の良いものを意識して摂ることもポイントのひとつ。胃や腸に負担をかけないような食事を心がけてくださいね。

乳製品アレルギーの方は、ヨーグルトの摂取には十分注意しましょう。ヨーグルトを食べ過ぎたことで下痢などの症状が続く場合は、食べるのを控え医療機関を受診し医師に相談するようにしましょう。
ヨーグルトを食べ過ぎることで腹痛や下痢などの症状を引き起こす場合は、摂るヨーグルトの量を見直すことが大切。食べ過ぎには注意し、食べる量を減らすなどして適切な量を摂るようにしましょう。
監修者
管理栄養士・パーソナルトレーナー伊藤 美里胃腸の調子が優れない時は、脂っこい食べ物や刺激物は避け、おかゆやバナナなど消化の良い食べ物が◎。腹部を温める際は、ホッカイロや湯たんぽなどを使うと良いでしょう。また、無理せず十分な休息を取るよう心掛けてくださいね。
ヨーグルトの一日の摂取目安量を守って取り入れよう!

健康や美容に良いイメージのあるヨーグルトですが、食べる量や頻度に注意が必要です。バランスの良い食事を心がけながらヨーグルトだけに頼りすぎず、適量を守って摂るようにしましょう。
普段の生活にうまくヨーグルトを取り入れ、健康増進につなげましょうね♡
監修者
管理栄養士・パーソナルトレーナー伊藤 美里いくら腸活にも良いとされるヨーグルトでも、食べ過ぎは逆効果に。美容・健康効果を高めるためにも、適量を守り、他の食品との食べ合わせやバランスを考えて、正しく取り入れましょう!
ヨーグルトは美容と健康に多くのメリットをもたらす食材ですが、食べやすい分、過剰摂取には注意が必要。1日の目安量を把握しつつ、体調や個々の栄養状態、他の食品とのバランスを考慮して取り入れましょう!