
着圧ソックスは履かない方がいい?むくみが悪化する理由や効果的な着用方法を解説
着圧ソックスは履いた方がいいのか気になっていませんか?寝るときに履くとよくないと知恵袋で検索したことがある方も多いでしょう。余計むくむとか、飛行機で履くとむくみが悪化するとか、悪い噂を聞くこともあり、履かない方がいいのか分からなくなってしまいますよね。
そこでこの記事では、むくみが悪化する理由やおすすめの着用方法を解説。何時間で効果を感じられるのか、着圧ソックスを履いた方がいい理由や、履かない方がいい人についても解説しているので、着圧ソックスが気になっている方はぜひチェックしてみてください。

パーソナルトレーナー津村美緒
ハーティネス株式会社代表 フィットネス勤務から独立し、現在はダイエット迷子に正しい知識を伝えるためのオンライングループレッスン運営中。 コンプレックスを強みに変える!ボディメイク運動指導やリバウンドなしで、理想の体を手に入れる食事指導をおこなっている。 YouTubeチャンネル「みおGYM」にて週2回エクササイズ配信中 著書4冊/各種雑誌、テレビ出演 JBBF 日本ボディビル・フィットネス連盟 5年振りの復帰で2024神奈川県オープン大会にて優勝続きを読む
着圧ソックスってどんなもの?

着圧ソックスは、足をすっきりさせたい方に人気のアイテムです。着圧ソックスや着圧レギンスは、下半身に圧をかけることで全身の血流をサポートするもの。着圧ソックスは足首やふくらはぎ、太ももに圧力をかけます。
一方着圧レギンスは、ヒップや腰回りまで適度な圧力で包み込むことができます。
着圧ソックスや着圧レギンスは、かかる圧力が部位によって異なる「段階着圧設計」で作られているものがほとんどです。種類も豊富で「日中用」と「夜用」などがありますが、日中用のほうが圧力は強め。夜用はリラックス感を重視するため、圧力が弱めに作られているものが多いです。
監修者
パーソナルトレーナー津村美緒
着圧ソックスを履くメリット4つ
着圧ソックスは身体に良さそうなイメージがありますが、具体的にはどのような効果があるのか気になりますね。ここでは、着圧ソックスを履く主なメリットについて、詳しく解説します。
①むくみの軽減

着圧ソックスは、足首やふくらはぎ、太ももに段階的に圧力をかける設計ですが、圧力は足首が最も強く、上に向かうにつれて徐々に圧力が弱まってくるように作られています。足首からポンプのように血液やリンパ液を押し上げることで、流れをスムーズにします。これにより、血流が滞ることによって起こるむくみを軽減します。
足をすっきりさせたい方のなかには、足の疲れを感じる方もいるでしょう。着圧ソックスでむくみをケアすることで、足の疲労感を軽減できるので、このような症状に悩んでいる方にも着圧ソックスの使用はおすすめです。
むくみをケアする方法を他にも知りたいなら、以下の記事でも紹介しているのでチェックしてみてくださいね!
②血行促進による疲労軽減

夕方になると、なんだか足がだるくなってくる方は多いでしょう。着圧ソックスで血流やリンパの流れをスムーズにすることで、足のだるさがやわらぐことも期待できます。足の筋肉を着圧ソックスがサポートすると、サポートなしの場合と比べて筋肉の疲労感がやわらぐからです。
また、血行が良くなることで酸素や栄養素が全身の筋肉に行き渡りやすくなるため、疲労感が軽減します。体が疲れているときには、何をしたら良いのか悩んでしまう方もいるでしょう。疲れたときには何もしたくなくなるものですが、着圧ソックスなら履くだけで血行促進による疲労軽減効果が期待できるので簡単。
足の疲れやだるさをなんとかしたいと考えている方にも、着圧ソックスの着用はおすすめです。他にも疲れが気になるときは、以下の記事もチェックしてみてください。
③冷え対策につながる

着圧ソックスは、冷え対策にも効果的です。ふくらはぎに圧力をかけると体の巡りが良くなり、血行が良くなって足だけでなく全身の冷えを感じにくくなることがあります。むくみの軽減や血行促進による疲労軽減効果が期待できるほか、冷え対策にもなるので体が冷えやすいと悩んでいる方にもおすすめです。
着圧ソックスは種類が多く、遠赤外線加工の保温性の高いものやウール素材や裏起毛で温かさを感じられるものも販売されています。デザインはシンプルなものが多く、寒い時期はもちろん冷房の効いた室内でも履けるので、足元を温めるために使うと良いでしょう。
④長時間の立ち仕事や移動時に効果的

着圧ソックスは足元に溜まりやすい血液や体液を流れやすくするので、長時間立ちっぱなしだったり座りっぱなしだったりしてむくみが起こりやすいときに着圧ソックスを着用するのがおすすめです。
長時間のデスクワークや立ち仕事、飛行機や電車での長時間の移動時に着圧ソックスを着用すると、足がすっきりしたように感じられます。特に飛行機の移動などで長時間同じ体制で座り続けると、エコノミークラス症候群になることは知られています。
着圧ソックスはとどこおりがちな血流をサポートするので、血栓をできにくくして快適な移動をサポートします。血栓はエコノミークラス症候群の原因となるので、結果的に着圧ソックスはエコノミークラス症候群の予防につながります。
監修者
パーソナルトレーナー津村美緒体は心臓から送り出した血液を、下半身のふくらはぎ(第二の心臓)で押し返すことで、循環をさせています。そのため、運動不足や、長時間の座りっぱなし、冷えなどで足元の筋肉が動かなくなるとさまざまな不調が起こります。着圧ソックスは程よい圧で、自然とポンプのサポートができるように設計されたものなので、目的に合わせて、ちょうど良い圧のものを選べるといいですね!
着圧ソックスは履かない方がいい?考えられるリスクとは
着圧ソックスにはメリットがたくさんあります。しかし、履かない方がいいという噂もあります。次は、「着圧ソックス」を履かない方がいい理由として考えられる、副作用やリスクについて解説していきます。
①余計むくむこともある

着圧ソックスは、むくみのケアのために履くことがありますが、履いたことでさらにむくんでしまうケースもあるので注意が必要です。たとえば、窮屈で履くのが大変なほど圧力が強すぎる場合や、寝ている間や海外へのフライトなど長時間の使用でむくみが余計にひどくなることがあります。
過剰な圧力や長時間の使用で血流が遮断されると、体内に水分が溜まってむくみを起こします。きつい着圧ソックスのほうが効果がありそうに思えて、長く履いていたら効果がアップしそうと思う方もいるでしょう。しかし、過度な締め付けのある着圧ソックスや長時間の使用で逆にむくんでしまうことがあります。
②血行不良や血栓のリスクも

着圧ソックスの圧力が強すぎる場合は、血流がさまたげられて逆に血行不良を起こす可能性もあります。血液がうまく流れない血行不良の状態が続くと、血栓ができやすくなります。そして、静脈瘤や深部静脈血栓症などの深刻な状態を引き起こすリスクが高まってしまいます。
着圧ソックスは、日中の使用を想定して作られたものです。夜寝ている間は心臓と足が同じくらいの位置になるため、血液が全身に巡りやすく、夜は着圧ソックスの着用が必要ないと考えられているからです。
夜間も着圧ソックスを履きっぱなしにしている場合や足が痛いと感じるほどに引き締め感がある場合は、着圧ソックスの使用は控えた方が良いでしょう。
③皮膚トラブルにつながる

着圧ソックスは、皮膚トラブルにつながる危険性もあります。履いたときにチクチクしたりかゆかったりと違和感があるものの、むくみを取りたいから履いていようと考えることもあるでしょう。
しかし、肌に合っていないものをそのまま履き続けていると、皮膚が荒れて皮膚炎やかぶれを起こすことがあります。また、長時間履き続けることで着圧ソックスの中に湿気がたまり、肌荒れを起こすこともあります。
さらに、きつすぎるものなどサイズの合わない着圧ソックスを履いていると、皮膚が圧迫されて摩擦による皮膚炎を起こす可能性があります。皮膚トラブルを予防するためには、肌に合わないものやサイズの合わないものは避け、8時間以内を目安に適切な時間で使用するようにしましょう。
着圧ソックスを履かない方がいいケースや履かない方がいい人の特徴
着圧ソックスの着用には、メリットもあればリスクもあります。そのため、着圧ソックスはどんな場合にも誰にでもおすすめできるものではありません。次に、着圧ソックスを履かない方がいい場合や履かない方がいい人について解説します。
①サイズが合っていない場合:血行不良などの原因に

サイズの合わない着圧ソックスは、履かない方が良いでしょう。サイズが合っていないものを着用してしまうと、期待した効果が得られないばかりか逆効果になってしまうことがあります。
着圧ソックスは、体の巡りを良くするためにある程度締め付け感があるように作られています。ただし、小さくて締め付けが強すぎる場合は、血行不良などを起こしてしまう危険性もあります。逆にサイズが大きすぎると、ぶかぶかして効果が期待できません。サイズが合わない着圧ソックスは、履かないようにしましょう。
②長時間の使用・寝るときの使用:血行不良や皮膚トラブルの原因に

長時間着用し続けたり、寝るときに着用したりすることも避けましょう。着圧ソックスは、長時間の使用により血行不良や皮膚のかぶれを引き起こす可能性が高くなります。
特に寝るときの使用には、注意が必要です。就寝中は血流をさまたげないことが大切。着圧ソックスにより血流がさまたげられるとリラックスして眠れなくなり、逆効果になってしまいます。
「長く着用した方が効果がありそう!」と思いがちですが、長時間の使用や就寝時は履かない方が良いでしょう。
③持病や特定の疾病がある人:症状を悪化させる原因に
特定の持病や疾病がある方は、着圧ソックスを履かない方が良いです。以下の持病がある方は、症状を悪化させる原因になりかねないので、着圧ソックスの着用は避けましょう。
- 高血圧:過剰な圧力がかかると血管に負担がかかり、血圧が余計に上がる可能性がある
- 心疾患(心不全、心筋梗塞など):着圧ソックスにより下半身から心臓への血流が増加することで心臓に余計な負担をかける可能性がある
着圧ソックスは靴下の一種だから大丈夫だろう、と自己判断で着用するのはおすすめできません。持病がある方は、着用前に医師に相談することをおすすめします。
④妊娠中の人:圧迫感や身体の負担になることも

妊娠中は、体が不安定で妊娠していないときと状態が異なるため、着圧ソックスは履かない方が良い場合があります。妊娠中はホルモンの変化により血管が膨張しやすく、血流も不安定になる傾向があります。
着圧ソックスは足だけでなく全身の血流に影響を与えるので、特に妊娠後期には避けた方が無難です。むくみケアのために、産後は着圧ソックスをすすめられる場合もありますが、妊娠中は圧迫感があることで身体の負担になることがあります。
妊娠中の方が着圧ソックスを使用する場合は、医師と相談したうえで適切な製品を選んでください。
⑤皮膚トラブルがある人:症状を悪化させる原因に

皮膚トラブルがある方も、着圧ソックスの着用は控えた方が良いでしょう。着圧ソックスが肌に密着することで、摩擦がおきたり汗をかきやすくなったりします。すると肌がかぶれたり炎症を起こしたりして肌荒れが生じることもあります。
特に敏感肌や乾燥肌で肌がデリケートな方は、着圧ソックスの刺激に反応することが多いです。敏感肌や乾燥肌でなくても、肌が荒れているときには着圧ソックスを履かない方が良いでしょう。
着圧ソックスの逆効果を防ぐための正しい使い方
着圧ソックスをせっかく履いても、正しく履いていないと逆効果になってしまいます。次は、着圧ソックスを効果的に使うためのポイントについて解説します。
①適切な着用時間を守る

着圧ソックスは、心地良いからと長時間履きっぱなしにしてしまうことがあります。しかし、長時間の使用は血液の循環を過剰に変化させることがあり、むくみや血流障害などの危険性も高めてしまうため、適切な着用時間を守ることが重要です。
着圧ソックスの着用時間の目安は、3~8時間です。長くても8時間を超えての着用は避けましょう。着用する時間は、夜よりも昼のほうがおすすめです。日中座ったり立ったりして活動している時間に着用することで、より血行促進の効果が期待できます。
②清潔な状態で正しく履く
着圧ソックスは、清潔な状態で正しく履くことが大切です。折れたまま履いていたりシワが残っていたりすると、血流がとどこおってしまう原因になるので、気を付けましょう。マッサージなどで足を心地よくリラックスさせておくことも大切です。
- 着圧ソックスを履く前に、足をきれいに洗い、乾燥させる
- 着圧ソックスの足元部分を裏返す
- 足先をソックスに入れ、徐々に足首に向かって引き上げる
- 足首にソックスをぴったりフィットさせる
- ふくらはぎに向かってソックスを引き上げる
- ソックスのシワを伸ばすように、なめらかに整える
- ソックスの上端がひざ下やふくらはぎの中央部分にくるように調整する
同時に、着圧ソックスが曲がっていないことも確認しておきましょう。ある程度締め付け感のある着圧ソックスですが、ヨレやシワがあると圧力がまっすぐかからずに効果が薄れてしまいます。正しく履いて、むくみのケアや血行促進に役立てましょう。
③自分に合った商品を選ぶ

着圧ソックスにはたくさんの種類があり、どれを選べば良いか迷ってしまいがちです。自分に合った圧力レベルやサイズのものを着用し、通気性や保温性など、重視したい機能のついているものを選びましょう。
自分に合った着圧ソックスをチェックしたい方は、以下の記事で紹介しているのでチェックしてみてくださいね。
監修者
パーソナルトレーナー津村美緒せっかくの着圧ソックスも、使い方を間違えるとかえってむくみを悪化させてしまうことも。正しい履き方を意識することで、より効果的に血行を促進し、スッキリとした足を目指しましょう!
着圧ソックスは履かない方がいい場合もある!正しい使い方をマスターしよう

着圧ソックスは、むくみを取ってすっきりしたい方におすすめのアイテムです。むくみの軽減や血行促進による疲労軽減だけでなく、冷え対策やエコノミークラス症候群の予防にも効果が期待できます。
ただし、履かない方が良いケースや、履かない方が良い人は逆効果になってしまうことがあるので注意が必要です。逆効果を防ぐ正しい使い方をマスターして、気になるむくみを軽減しましょう。
監修者
パーソナルトレーナー津村美緒着圧ソックスは、むくみケアや血行促進に役立つ便利なアイテムですが、ただ履けばOK!というわけではなく、正しい使い方が大切です。自分に合ったものを選び、適切な時間・方法で着用することで、より快適に美脚ケアができますよ!
不調改善、美容目的、運動パフォーマンスアップなど、日中と夜用以外にも目的に合わせたものを選んでいただくのがおすすめです!