
筋膜ローラーの使い方【初心者でも簡単】太もも・ふくらはぎ・お腹など部位別に紹介
筋膜ローラー(フォームローラー)は、肩こりをはじめとする不調緩和と、太ももやふくらはぎなどの脚やせを目指せるフィットネスアイテムです。
足や背中に当てて転がすだけなので初心者でも簡単に使えますが、実際のところ「ダイエットへの効果は?」「ぽっこりお腹にはどう使うの?」などの疑問も多いでしょう。そこで本記事では、筋膜ローラーの使い方を部位別に徹底解説します。美と健康を追求する女性は見逃せませんよ!

パーソナルトレーナー津村美緒
ハーティネス株式会社代表 フィットネス勤務から独立し、現在はダイエット迷子に正しい知識を伝えるためのオンライングループレッスン運営中。 コンプレックスを強みに変える!ボディメイク運動指導やリバウンドなしで、理想の体を手に入れる食事指導をおこなっている。 YouTubeチャンネル「みおGYM」にて週2回エクササイズ配信中 著書4冊/各種雑誌、テレビ出演 JBBF 日本ボディビル・フィットネス連盟 5年振りの復帰で2024神奈川県オープン大会にて優勝続きを読む
筋膜ローラー(フォームローラー)とは?

筋膜ローラーとは、ストレッチや体感トレーニングなどに使う筒状のフィットネス器具のことです。身体を当てて転がすことで、筋膜をほぐしたり(リリースしたり)、筋肉の柔軟性をアップしたりできます。
筋膜は、筋肉をつつむ結合組織で、日々の運動や生活におけるストレスによって、緊張やコリが生じます。そのこり固まった筋膜および筋肉をほぐすのに役立つのが、筋膜ローラーなのです。
筋膜・筋肉をほぐせると、筋肉の疲労回復による痛みの軽減やパフォーマンス向上、可動域拡大によるケガの防止、血行促進につながります。また、フォームローラーとも呼ばれることから、姿勢改善のためにも取り入れられていますよ。
筋膜ローラーは、太ももやふくらはぎ、お腹・背中など、さまざまな部位に使えるうえ、自宅で手軽に使えるため、初心者にもおすすめです。部位別の詳しい使い方は、後述するのであわせてチェックしてみてください。
デスクワークや立ち仕事、家事・育児で身体がこり固まりやすい方は、メンテナンスに取り入れてみましょう。
おすすめのフォームローラーが知りたい方は以下をチェック!
足をほぐすならスティックタイプもおすすめ
筋膜ローラーは筒状に加え、手で持って使えるスティックタイプもあります。筒状よりコンパクトで扱いやすく、狙った部位をしっかり刺激できるのが特徴です。太ももやふくらはぎなど、筒状の筋膜ローラーがうまく当たりにくい足元をメインでほぐしたいなら、スティックタイプが便利でしょう。
そのほか、筋膜ローラーには、手や身体を動かさずにケアできる電動タイプや、足に挟んで使えるタイプなどもあります。電動タイプは効率重視の方に、足に挟むスティックタイプは、太ももを重点的にケアしたい方におすすめです。目的と好みに合わせて選んでみてください。
筋膜ローラーがおすすめの人の特徴

筋膜ローラーを使うとよい人は、肩こりに悩んでいる人や脚やせしたい人、ダイエット中の人などです。なぜ向いているのか、その理由を詳しくチェックしていきましょう。
肩こりに悩む人
筋膜ローラーは、肩こりに悩まされやすい人におすすめです。なぜなら、筋膜ローラーで筋膜をほぐすと、肩こりの原因の一つである血行不良や可動域の狭まりを改善へと導けるためです。
反対に、筋膜が硬くなって癒着してしまうと、筋肉の働きが弱まり、血行やリンパの流れが悪くなりかねません。血行・リンパのスムーズな流れを保ち、筋肉本来の働きを正常に保って肩こりを改善できると考えられるでしょう。
また、肩こりの発生とつながりが深いのが、肩関節の可動域の制限です。可動域を広げるためには、制限をかける原因となっている肩甲骨や背中の筋肉を活性化しなければなりません。
そこで筋膜ローラーで肩甲骨・背中の筋肉にアプローチすると、適度にほぐれて本来の可動域が戻ってきて、肩こりも改善できるでしょう。
脚やせしたい女性
太ももやふくらはぎなど、脚やせしたい人にも、筋膜ローラーはおすすめできます。特に長時間座りっぱなしになるデスクワークの人は、太もものケアが重要なのです。
夕方になると「足がむくんでいる」「パンパンで太い」と感じるのは、主にむくみや筋肉のコリが原因です。筋膜ローラーを使えばこり固まっている筋肉に働きかけられるうえ、老廃物の蓄積による血行不良が主な原因のむくみにもアプローチできます。
むくみやコリがあるまま筋トレをしても、不要なコリや水分の上に無駄に筋肉がつくだけで、逆に太ったと感じてしまうかもしれません。スッキリとした美脚を手に入れたいなら、筋膜ローラーの使用を検討しましょう。
効率よくダイエットをしたい人

ダイエットを順調に進めたい方も、筋膜ローラーでのトレーニング・ストレッチを取り入れてみてください。筋膜が硬くなっていて、その内側にある筋肉もこったままだと、血行が妨げられてすぐにむくみにつながってしまいます。
筋膜ローラーで定期的に筋膜をほぐしてあげると、老廃物が流れ出して血行が促され、むくみも改善されるでしょう。血行がよくなることによって、代謝が上がるのもポイントです。
代謝の向上は、痩せやすい身体への第一歩です。激しい運動をせずともカロリーを消費しやすくなり、脂肪がつきにくくなるとともに、日常生活を送っているだけでも自然と痩せやすい状態になるでしょう。
また、筋膜ローラーは筋膜だけでなく筋肉も刺激できるため、直接的な身体の引き締め効果にも期待がもてます。
運動している人
スポーツ選手も愛用する筋膜ローラーは、運動をするすべての人におすすめです。
まず、筋膜ローラーは、筋膜および筋肉本来の能力を呼び覚まします。反対に、筋膜が固まってしまって筋肉が柔軟性を失うと、身体が思うように動かせず運動パフォーマンスが低下しかねません。
上に乗って通常では手が届かない部位の筋肉まで刺激して、パフォーマンスを保てるのが筋膜ローラーなのです。
また、筋膜ローラーは筋トレ後の疲労回復にも役立ちます。全身をマッサージ感覚でじっくりケアすると、いち早く回復でき、翌日以降の筋肉痛も予防・改善できるでしょう。
監修者
パーソナルトレーナー津村美緒
初心者でも簡単!筋膜ローラーの基本的な使い方

ここからは、筋膜ローラーの使い方を、手順とポイントを交えてご紹介していきます。まず、初心者でも簡単にできる基本的な使い方をチェックしてみましょう。
- 筋膜ローラーを床に置く
- ほぐしたい部位を筋膜ローラーの上に乗せ、ゆっくり体重をかける
- 痛みが出ない程度の圧で前後に転がし、筋肉を刺激する
筋膜ローラーでケアしたあとは、ストレッチをして、血行と可動域を元どおりにするのをサポートしましょう。ほぐした部位の筋肉を中心に、ゆっくりと息を吐きながら伸ばしていくのがコツです。
【部位・お悩み別】筋膜ローラーの使い方
ここからは、部位別に筋膜ローラーの使い方をご紹介していきます。どこをケアすればいいのか分からない方は、「足のむくみ」や「ぽっこりお腹など」、抱えている悩み別にチェックしてみてください。
足のむくみ(太もも)に対する筋膜ローラーの使い方

足の冷えやむくみが気になるなら、前もも→外もも→内もも→裏ももの順番で、太ももを広くケアしていくのがおすすめです。手順は以下のとおり。
- 両肘をついてうつぶせになり、横向きに置いた筋膜ローラーに前ももをのせて前後に動かす(片足ずつ)
- 上半身を起こしたまま片手を床について横向きになり、外ももを筋膜ローラーにのせて前後に動かす
- ❷と同じ手順で、反対の外ももを刺激する
- 足を股関節から90度に曲げ、縦向きに置いた筋膜ローラーが内ももにあたるように動かす
- 両手を後ろについてお尻を浮かせ、横向きに置いた筋膜ローラーを裏ももにあてて前後に動かす(片足ずつ)
「前ももだけ」「裏ももだけ」など、部分的にケアするのもいいですが、全体を満遍なく刺激する方が効率的に筋肉をほぐせます。慣れない体勢で大変かもしれませんが、筋膜ローラーの角度を変えつつほぐしてみてください。
いずれの体勢においても、反り腰にならないようお尻とお腹に力を入れ、体幹を安定させられるよう意識しましょう。
足のむくみ(ふくらはぎ)に対する筋膜ローラーの使い方
太ももよりふくらはぎのむくみやハリ感がひどい方は、以下の手順でケアしてみてください。
- 横向きに置いた筋膜ローラーに左足のひざ裏をのせ、右足で上から圧をかけながら左右に揺らす
- ❶を右足も行う
- 横向きに置いた筋膜ローラーに左足のふくらはぎをのせ、前後に転がす
- 足の角度を変えながら、ふくらはぎの外側・内側も順に刺激する
- ❸~➍を右足も行う
ひざ裏は、血管やリンパ管が集中している部分です。デリケートな部分なのでやさしく、かつひざ裏を重点的にほぐすと、むくみやハリ感の解消につながります。ただし、むくんでいるほどに刺激すると痛いと感じる傾向にあるため、様子を見ながらケアしてみてください。
また、❸以降の手順でふくらはぎに痛みを感じるなら、両肘をつき、上半身をやや後ろに倒して行うと圧を調整できて痛みが軽減されるでしょう。
ぽっこりお腹に対する筋膜ローラーの使い方
姿勢改善も目指せる筋膜ローラーでのケアは、ぽっこりお腹および反り腰の解消にもつながります。手順は以下のとおり。
- 筋膜ローラーを横向きに置き、肋骨から骨盤の間に当たるようにうつぶせに寝る
- 両肘をつき、両ひざでお腹にかかる圧を調整しながら体勢をキープする(約20秒)
- 深呼吸しながら、おへそ付近にずらし圧をかける(約20秒ずつ)
- さらに下腹部へとずらし、お腹とお尻に力を入れながら前後に動かす(約30秒)
筋膜ローラーをお腹に使用するときは、肋骨より下を刺激するようにしてください。肋骨に強い圧が加わると、骨折するおそれがあります。
また、胃腸を圧迫することで、消化を妨げる可能性もあるため、食べたあとすぐのケアは避けましょう。
肩こり(肩・背中・肩甲骨)に対する筋膜ローラーの使い方

筋膜ローラーで肩こり改善を目指すなら、肩と背中、肩甲骨をセットでケアするのが効率的です。手順は以下のとおり。
- 後ろに両手をつき、横向きに置いた筋膜ローラーを背中の真ん中付近に当てる
- 頭の後ろで手を組み、足裏で身体を支えながら前後に揺らす
- 筋膜ローラーの位置を、背中の真ん中→肩甲骨→肩へとずらしながら揺らす
- 肩甲骨の位置に戻って、身体をやや左右にひねりながら片側ずつ肩甲骨をほぐす
ポイントは、コリが気になる部分を重点的にケアすることです。揺らして痛いところがある場合、のせて深呼吸するだけでも構いません。筋肉がほぐれると痛みも薄れ、動かせるようになってくるはずです。
特に、肩甲骨付近のケアは、可動域アップにつながります。「コリで身体が動かしにくい」と感じるときは、重点的にケアしてみてください。
腰痛(腰・お尻)に対する筋膜ローラーの使い方
腰痛のお悩みには、筋膜ローラーによる腰とお尻のアプローチが有効です。手順は以下のとおり。
- 横向きに置いた筋膜ローラーに腰を当てる
- 胸の前で手を組んで両ひざを立て、お尻をやや浮かせながら前後に動かす
- 筋膜ローラーがややお尻寄りにくるようにし、頭とかかとを床につける
- そのまま身体を左右・前後に揺らし、腰からお尻にかけて刺激する
お尻をじっくりケアしたいときは、➍の次に、「身体の後ろに片手をつき、ついた側のお尻から順に片側ずつ腰の下のほうやお尻を刺激する(左→右)」を加えてみてください。
また、腰痛があるときは、回数や圧の強さによっては逆効果になりかねません。無理のない範囲内で、気持ちいいと感じる程度に留めましょう。
首の痛みに対する筋膜ローラーの使い方
筋肉のコリや筋膜のこわばりなどで、首が痛いときにも筋膜ローラーは役立ちます。手順は以下のとおり。
- 筋膜ローラーを枕にするように、首の中心部をのせる
- 顔を左→上に動かしながら、首の左側を刺激する(4~5往復ほど)
- ❷を右側にも適用する
筋膜ローラーを首に使用すると「気持ちいい」と感じるでしょう。しかし、ゴリゴリしすぎるのはよくありません。使うこと自体は問題ではありませんが、当て方によってはかえって痛みの原因になりかねないためです。
特に首の横や後ろには、重要な神経や身体を支える骨がとおっています。痛すぎないやさしい加減でケアするようにしましょう。
監修者
パーソナルトレーナー津村美緒筋膜ローラーの使い方はたくさんありますが、全て覚えなくても大丈夫!気になる部位や悩みに合ったケア方法を知っておくだけで、効率よく体を整えられます。まずは無理なく続けられる方法から試してみましょう!
筋膜ローラーの効果を高めるためのタイミングや注意点

せっかく筋膜ローラーを使うなら、十分な効果を得たいもの。そこで最後に、筋膜ローラーの効果を倍増させるタイミングと、初心者が事前に知っておきたい注意点をお伝えします。
入浴後など身体が温まった状態で使う
筋膜ローラーを使うタイミングは、身体が十分に温まった入浴後などがベターです。なぜなら、身体が冷えていると、筋膜や筋肉も冷えて硬くなっていて、その上から刺激してしまうと組織を傷つけかねないからです。
入浴後のほか、軽く運動したあとや散歩に行ったあとなども身体が温まっているため、筋膜ローラーの使用に向いています。筋膜・筋肉が柔らかくなった状態で、効率よくケアしましょう。
効果が出るまで3ヶ月ほど継続する

筋膜ローラーを使い始めたら、効果の出方を問わず、3ヶ月ほどは続けてみてください。短期間でやめてしまうと、十分な効果を得られない可能性が高いです。
効果が出るまでの期間には個人差がありますが、早い方なら2週間ほどで変化を感じられるでしょう。まずは1ヶ月、まだあまり変わらないなら2ヶ月、3ヶ月と根気よく継続してみましょう。
回数・頻度はやりすぎないように注意
筋膜ローラーは筋膜や筋肉に負荷がかかるからこそ、回数や頻度には要注意です。太ももやふくらはぎ、お腹、背中など、ほぐしたい部分をのせたら、一ヶ所につき20秒~90秒程度の間隔を目安に刺激していきましょう。初心者は20秒程度から始め、徐々に時間を長くしていくのがおすすめです。
また、頻度の目安は1週間に3回程度ですが、個人差があるため一概にはいえません。ポイントは使用後の「スッキリ感」です。身体が軽く、スムーズに動けるようになったと感じる頻度を探ってみてください。
痛みを感じる強さで行わない

筋膜や筋肉の組織を傷つけないためには、力加減も重要です。筋膜ローラーでのケアは自重で行うため、容赦なく強めの圧を加えがち。しかし、強くし過ぎると、本来であれば柔らかくなるところが、反発してかえって筋肉が硬くなってしまう可能性もあります。
また、力加減を強くしすぎると、誤って骨や関節に当たってしまったときの痛みも強くなります。筋肉の柔軟性を向上させ、痛みのリスクを回避するためにも、「痛気持ちいい」と思う範囲に留めましょう。
ローリング中は呼吸を意識する
筋膜ローラーの使用中は、正しい呼吸ができているか確認しながら進めてください。呼吸を止めてしまうと筋肉が緊張してしまい、効果が半減しかねません。
特に初心者の方は、ケアに夢中になるあまり息を止めがちです。深呼吸を意識しながら行うと、リラックス効果も得られてコリの改善や柔軟性の向上により効果的ですよ。
監修者
パーソナルトレーナー津村美緒筋膜ローラーの効果を最大限に引き出すには、温まった体で適切な強さ・頻度を守ることが大切。強く刺激すればするほど効いている感じがする!と頑張りすぎてしまう方もいますが、「少し物足りないなぁ」程度でゆるゆると行うのが苦なく続けるポイントです!
筋膜ローラーの正しい使い方をマスターして不調緩和や美を目指そう!

筋膜リリースに効果的な筋膜ローラーは、首・肩こりや足のむくみ改善、太ももやふくらはぎ、お腹のダイエットを手助けしてくれるアイテム。背中や肩甲骨を重点的にケアすれば、姿勢改善も目指せるでしょう。
スティックタイプはより扱いやすく、トレーニング初心者にもおすすめ。不調を軽減しながら美を追求したい女性は、ぜひ使用を検討してみてください。
監修者
パーソナルトレーナー津村美緒ご自身でごろごろと転がすのが苦手という方は電動タイプ(振動)のものあるので、使いやすさや、好みに合わせて選んでいただくのも良いですよ♪毎日ケアする場合は、出来るだけ使い勝手の良いものを選びましょう!
筋膜ローラーは、運動前後のケアや疲労回復、美容目的まで幅広く活用できる便利なアイテム。血行を促し、体のパフォーマンスを最大限に引き出すサポートにもなるので、ぜひ日々の習慣に取り入れてみてください!