お化粧品に含まれるアルコールについて( ・ ̫・)
シャンプーの投稿もそうですが、随分と久しぶりの投稿になってしまいました。
受験終わってひと段落したかと思えば新型コロナウイルスで色んな意味で忙しくなってしまい、なかなか開けずにいました💦
すみません。
投稿やコメント返しはなかなか出来ないでいたのですが、たまにアプリを見ていると化学を専門に学んできた者として「ん…?」となる事が多々あったので、今回は備忘録がてら化粧品(または医薬部外品)に含まれるアルコールについて書きました。
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まず、本来のアルコール(alcohol)という言葉が持つ意味について説明します。
アルコールとは、炭化水素の水素原子(-H)を(-OH)で置き換えた物質の総称です。
(-OH)というのは、ヒドロキシ基・ヒドロキシル基・水酸基、なとどいう呼ばれ方をします。
炭化水素というのは、鎖式・環式、飽和・不飽和など様々な種類に分けられているのですが、
今回はアルコールについての話なので、CH4・C2H6・C3H8…などの鎖式飽和炭化水素(アルカン)
簡単に言えばミネラルオイル(常温で液体のアルカン)やワセリン(常温で固体のアルカン)の主な成分だと思って頂いて構わないです。
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CH4(メタンと言います。燃料や都市ガスなどに使われていて、地球温暖化の要因のひとつでもあります。)という1番簡単なアルカンの場合、
水素原子(-H)を4つあるうちの1つだけヒドロキシ基(-OH)に置き換えると、CH3OHになります。
これは知っている方も多いと思いますが、メチルアルコール・メタノール(methanol)と言います。
冷却材などに使われていて、飲むと体の中で最終的にギ酸というものになり、中毒症状を起こします。
目によく症状が現れるので、「目散るアルコール」なんて呼ばれ方もします…
(戦時中はお酒が手に入りづらかったため、戦闘機や自動車の冷却材に使われていたメタノールを飲んで中毒になる方が多かった…なんて話もあります。)
そして、次に簡単な炭化水素のC2H6(エタンと言います)の水素原子を、6つあるうちの1つヒドロキシ基に置き換えるとC2H5OHになります。
これはエチルアルコール・エタノール(ethanol)と言います。
これは、メタノールとは違って普通のお酒に入っているアルコールの成分です。
✨また、ウエットティッシュやお化粧品などの成分表で1番目にするアルコールのことです!✨
脱脂綿にエタノールを含ませて二の腕の柔らかいところに貼り、赤くなったら弱い・ならなかったら強いという、お酒が強いか弱いか調べる簡単なパッチテストもあります。
クラスで1度行ったことがあるのですが、赤くなる子もそれなりにいたため、「エタノール入りの化粧水を使うとぴりぴりする気がする…」「肌につくと赤くなる…」という方は避けた方が良い成分ですね💦
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このように、「アルコール」というものはエタノール以外にもまだまだたくさんあるんです。
つまり、今の表記ですと、
【アルコールフリー≠アルコールが入っていない】
となっているんです。
なぜなら、
・グリセリン(1,2,3-プロパントリオール)
・プロピレングリコール(1,2-プロパンジオール)
・DPG(ジプロピレングリコール)
・BG(1,3-ブチレングリコール)
これらも全てアルコールだからです💦
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グリセリンは3価(分子中の水素原子が3つヒドロキシ基で置換されたもの)のアルコールで
C3H5(OH)3と表します。
慣用名はグリセリンで、体系名(命名規則で決められたもの)では1,2,3-プロパントリオールと呼ぶのですが、これは
プロパン → C3H8
トリ → ラテン語で3という意味
文字の前の数字 →ヒドロキシ基がくっついている炭素原子の場所
という意味です。
化粧品と医薬部外品では成分の表記の仕方が変わるので、注意が必要です。
プロピレングリコール(1,2-プロパンジオール)は
CH3CHOHCH2OHと表します。
プロパン →C3H8
プロピレン → C3H6
グリコール → 分子中の2つの炭素原子に1つずつヒドロキシ基がくっついている化合物のこと
ジ → ラテン語で2という意味
文字の前の数字 → ヒドロキシ基がくっついている炭素原子の場所
プロパンはエタンの次に簡単な炭化水素で、飽和炭化水素(アルカン)です。
プロピレンはそのプロパンから2つ水素原子がいなくなってしまった状態で、不飽和炭化水素のアルケンと言います。
長くなってしまうのでBGとDPGについては今のところ割愛(後で時間がある時に編集して書き足すかもしれません笑)させて頂きますが、上の説明で大体どういう成分なのかな?というのが検討つくかと思います。
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表記の仕方が色々あるので違う成分だと思ったり、アルコール=エタノールだと思ってしまう方は多くいると思います。ですが、この件のように間違った情報を鵜呑みにしてしまうと
「このお化粧品のなにが合わなかったのか?」
ということを考えるきっかけが失われてしまったり、
「アルコールは全て悪い!」
「この商品は自分の肌に合わなかったから悪い商品だ!」
という極端な考え方になってしまう可能性があります。
自分の肌に合うもの合わないものは色々あり、それは十人十色です。
自分の肌に合わなかったからその商品の品質が悪いというわけでも、オーガニック や無添加だから良いというわけでもありません。(そもそも何をもってしてオーガニック や無添加と呼べるのか基準がないのです)
肌に合わなかったり、逆に「すごく肌に合う!」と思ったときには一度成分表を見てみてください🌸
今まで使ってきたものと照らし合わせて「何が良くて何が合わなかったのか」をしっかり調べることが綺麗な肌のためにとても大切です。
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