歯科口腔外科医新谷悟
香川県高松市生まれ。祖母を舌癌で亡くした経験から口腔外科医になることを決意し、岡山大学歯学部へ進学。岡山大学大学院、同大学病院第2口腔外科、愛知県がんセンター頭頚部外科、ハーバード大学留学、愛媛大学医学部助教授を経て、昭和大学顎口腔疾患制御外科学教室主任教授・口腔外科科長、口腔がんセンターのセンター長を歴任。父の突然の死を機に「真に患者さんに求められる医療を提供したい」との想いから、大学を辞し、東京銀座シンタニ歯科口腔外科クリニックを開設する。常に第一線で「患者さんのためのよりよい治療を実践する」歯科口腔外科医である。続きを読む
マウスウォッシュ・スプレーの効果とは?
マウスウォッシュとは、20~30秒ほど口の中に含むだけで口臭などのケアができるアイテム。清涼感のあるアイテムが多く、手軽に口内をスッキリさせられます。
市販されているマウスウォッシュには化粧品と医薬部外品があり、それぞれ効果が異なります。化粧品に分類されているマウスウォッシュの効果・効能は、口の中を浄化することと、口臭を防ぐこと。医薬部外品の場合は化粧品の効果・効能に加え、配合されている薬用成分によって次のような効果が期待できます。
- 口臭の防止
- 歯周病・虫歯予防
- ホワイトニング*
- 歯肉炎の予防
また、口の中にシュッと吹きかけるタイプのマウススプレーと呼ばれるアイテムもあります。食後などの口臭が気になるときに使うことでニオイを防げますよ。
口内がスッキリするマウスウォッシュやマウススプレーですが、それだけで歯の汚れをすべて落とすことはできません。あくまで補助的なものとして使い、日頃の歯磨きは怠らないようにしましょう。
*歯の表面の黄ばみ・着色を防ぐこと
- 監修者歯科口腔外科医新谷悟
スッキリ爽快!自分に合ったマウスウォッシュ・スプレーの選び方
口に含むだけでスッキリ爽快になるマウスウォッシュ・スプレーは、配合されている成分や形状によって特徴が異なります。自分にぴったりの商品を見つけるために、選び方のポイントを押さえておきましょう。
①口臭対策?虫歯予防?悩みや重視する効果で選ぼう
マウスウォッシュに期待する効果は人それぞれ。口臭対策や虫歯予防など、自分の悩みや重視したい効果に合わせて商品を選びましょう。
口臭対策なら、「ニオイの原因」に合わせて配合成分をチェックしよう
口臭の原因はひとつではありません。口臭予防のためにマウスウォッシュを使うときは、食事やコーヒー、タバコ、歯周病など、口臭の原因に合わせて製品を選ぶことが重要です。
食事やコーヒーなどのニオイが気になるときは、香りを重ねてカムフラージュするマスキングと呼ばれる効果が期待できるアイテムがぴったり。ミントなどのハーブエキスや茶、フルーツ香料などのなかから、好みの香りを選びましょう。
歯周病や虫歯が原因の場合は、口臭の原因となる菌を減らす殺菌剤主剤のものや、炎症を抑える抗炎症作用のある医薬部外品を選んで。パッケージの成分表記に、塩化セチルピリジニウム(CPC)、クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、グリチルリチン酸などが書かれているかをチェックしてください。
舌の汚れが気になるなら、舌磨きとマウスウォッシュの併用がおすすめです。舌ブラシなどで汚れを落としたあとに、二酸化塩素、塩化亜鉛、ハーブなどが配合されたマウスウォッシュで、口臭の原因物質を洗い流しましょう。
以下の記事では舌磨きにおすすめの人気商品や、やり方を詳しく解説しています。あわせて確認してみてください。
- 監修者歯科口腔外科医新谷悟
まずはニオイの原因をしっかり知り、その対策を十分に行ったうえでマウスウォッシュを使用しましょう。原因への対策を行わずに、マウスウォッシュだけに頼るのはおすすめできません。
舌磨き、歯周病対策が口臭対策の基本ですが、虫歯が進行して歯の根の先にできた病変が骨を溶かして膿を出していることもあります。口臭が続くときは歯科医院へ相談してください。
虫歯・歯周病予防なら「医薬部外品」から選んで!薬用成分がポイントに
マウスウォッシュで虫歯や歯周病を予防するなら、予防作用のある薬用成分が配合された医薬部外品を選びましょう。
虫歯予防なら、原因菌の働きを弱め歯の再石灰化を促進するフッ素や、殺菌作用のあるグルコン酸クロルヘキシジンに注目。また、ナノシルバーなどの成分が含まれたpH調整タイプのマウスウォッシュも◎。口内のpHを虫歯ができにくい中性の状態に保つサポートをしてくれます。
歯周病を予防したいなら原因菌を減らす殺菌成分や、歯ぐきの炎症を抑える抗炎症成分に注目しましょう。殺菌成分にはIPMP(イソプロピルメチルフェノール)、CPC(塩化セチルピリジニウム)など、抗炎症成分にはグリチルリチン酸、TXA(トラネキサム酸)などが挙げられます。
ただし、これらはあくまで予防ケアに適した成分であり、トラブルそのものを治療するものではありません。できてしまった虫歯や歯周病は歯科医に相談してくださいね。
- 監修者歯科口腔外科医新谷悟
虫歯と歯周病では、原因となる菌が異なります。また、一人ひとり虫歯や歯周病のリスクの高さは違います。
歯ブラシでどうしても除去できなかった部分の菌を減弱させるマウスウォッシュは、虫歯や歯周病の予防におすすめのアイテム。ご自分の口腔内の状況に合わせてうまく活用しましょう。
歯の黄ばみ、着色が気になるなら「ホワイトニング*」をうたったものを
口臭や虫歯と並んで多い口内の悩みが、歯の黄ばみや着色汚れといった歯の色。歯を白くきれいにしたいなら、ホワイトニング*効果がうたわれているマウスウォッシュを選びましょう。
- 有効成分:ポリリン酸Na(三リン酸5Na)
- ポリエチレングリコール
- ピロリン酸4K
ただし、マウスウォッシュではひどく汚れた歯を白くする効果までは期待できません。また、歯の黄ばみは着色汚れだけでなく、加齢や抗生物質などが原因の場合も。市販品によるセルフケアは、歯科医院である程度ケアしたあとのメンテナンスとして行ってください。
*歯の表面の黄ばみ・着色を防ぐこと
②マウスウォッシュは3タイプある!シーンで使い分けるのもおすすめ
マウスウォッシュは、液体タイプ・たんぱく質除去タイプ・タブレットタイプの3種類に分けられます。使い方の好みはもちろん、シーンによって使い分けるのもおすすめです。
液体タイプはスッキリ感が魅力!メジャーで商品の種類が豊富
マウスウォッシュのなかで最もメジャーなのが、液体タイプ。多くのメーカーから販売されており、商品ごとにさまざまな特徴があります。口臭の病原菌を殺菌する成分を配合した医薬部外品も展開されています。
約10〜20mlの適量を口に含んで、20〜30秒ほど口をゆすいでから吐き出すのが基本の使い方。特にアルコール入りのものだと、使用後は口の中がとてもスッキリしますよ。爽快感を重視したい人や、口内トラブルの予防として使いたい人におすすめです。
- 監修者歯科口腔外科医新谷悟
マウスウォッシュの成分に対する感じ方は人それぞれ異なります。刺激が強いと感じたら無理してそのまま使わず、薄めて使ったり、刺激が少ないと感じる他のものに変えたりしましょう。
たんぱく質除去タイプは低刺激で使いやすい◎
食べカスなどに含まれるたんぱく質は、口臭や歯周病の原因に。近年注目されているたんぱく質除去タイプは、口に含んでゆすぐことでたんぱく質を吸着し、液体と一緒に吐き出す仕組みのマウスウォッシュです。
吐き出した液体には除去されたたんぱく質が着色されて浮かぶため、落ちた汚れが目に見えるのも特徴的。ノンアルコールのため刺激が少なく、口内炎ができているときやインプラントの手術後なども使いやすいですよ。個包装の商品が多いので持ち運びにも便利です。
タブレットタイプは持ち運びやすいのがメリット
マウスウォッシュには固形のタイプもあるんです。タブレットタイプはラムネのような粒状になっており、噛み砕いてから口をゆすいで使います。ミントなどの香りが口の中に広がってリフレッシュ。舌の上にのせたあとに噛むので、舌や口腔内の粘膜にある汚れを取り除くのにも向いていますよ。
液体状のタイプよりもコンパクトで小分けにしやすいため、携帯のしやすさも魅力。旅行のときや、災害用に備えておくのにもおすすめです。
- 監修者歯科口腔外科医新谷悟
マウスウォッシュは補助的に使用するもの。そのうえで、液体タイプはお家でしっかり口腔ケアをする際に、たんぱく除去タイプはアルコールの刺激が強いと感じる人におすすめです。
タブレットタイプは、携帯に便利なので持ち歩いてマウスウォッシュのような効果を得たい人に向いています。
③毎日使うならノンアルコールタイプを選ぼう
歯磨きは毎日、毎食行うものですが、マウスウォッシュの使用頻度は商品によって異なります。頻度を気にせず使いたいなら、ノンアルコールタイプを選びましょう。
アルコールが含まれたマウスウォッシュは爽快感があり、手軽にリフレッシュできます。しかし、頻繁に使いすぎると唾液を減らし、口の中が乾燥してしまう場合があります。ノンアルコールタイプなら頻度を気にせず使えるため、使い方に合わせてアルコールの有無を選んでくださいね。
- 監修者歯科口腔外科医新谷悟
アルコールが入っていると爽快感は増しますが、刺激がどうしても強くなります。口腔粘膜に口内炎やその他のびらんなどがある場合には、アルコールの刺激は負担になり得ます。粘膜疾患のある人や口内炎がよくできる人は、ノンアルコールタイプを選びましょう。
④携帯用マウスウォッシュ・スプレーなら外出先でも気軽にケアできる
外出時に使うなら、持ち運びやすさをチェックしましょう。外出先で歯磨きができないときや、口臭を防ぎたいときなど、手軽に口内をスッキリさせるのに役立ちます。
液体の大容量タイプだと、コスパはよいものの持ち運びには不便。ミニサイズでフタがコップとして使えるものがおすすめです。そのほか、タブレットタイプや、個包装のものが多いたんぱく質除去タイプも持ち運びやすいですよ。
マウススプレーもサイズが小さいため持ち運びに便利。食後など口臭が気になるときにシュッと吹きかけるだけで、ニオイを予防できます。
マウスウォッシュの正しい使い方は?
自分に合った商品を選ぶのと合わせて、使い方も確認しておきましょう。正しい方法で使うことで、本来の効果をしっかり発揮できます。
基本の使い方は簡単。パッケージに記載されている適量を口に含んだら、20~30秒ほど口内の全体に行き渡るようにクチュクチュし、吐き出します。そのあと水でゆすぐ必要はありません。商品によってはブラッシング後に使うことを推奨しているものもあるので、使用前にパッケージに記載の使い方を確認してください。
使用頻度は、1日1~3回くらいが目安。口臭が気になるタイミングに使うほか、日中の口臭を抑えたいなら就寝前や朝の出発前に使うとよいでしょう。特に就寝中は、唾液が少ないため細菌類が繁殖しやすくなります。このときにニオイの原因を洗い流しておくことが、口臭予防の大事なポイントです。
- 監修者歯科口腔外科医新谷悟
口腔ケアの基本は、フロスや歯ブラシなどで細菌の量を減らすことです。マウスウォッシュを使用するときは、少ない時間でもよいのでフロスや歯ブラシを一緒に行ってくださいね。
マウスウォッシュ・スプレーに関するよくある疑問
マウスウォッシュに関するよくある疑問点もチェックしておきましょう。
マウスウォッシュとデンタルリンスは何が違うの?
マウスウォッシュとよく似た製品としてデンタルリンスがありますが、大きな違いはブラッシングが必要かどうかです。デンタルリンスは液体歯磨き剤のことで、歯磨き粉の代わりに使うもの。口をゆすいだあとや、口に含みながらブラッシングすることで効果を発揮します。
一方、マウスウォッシュは歯磨き粉の代わりではありません。ゆすぐだけで口内をスッキリさせたり、口臭を予防したりといった効果がありますが、歯垢を落とす目的では使えないため注意しましょう。
そもそもマウスウォッシュ・スプレーって安全?危険性はない?
マウスウォッシュ・スプレーは口に入れても問題ないものですが、パッケージに記載されている使用頻度を守って使いましょう。頻繁に使いすぎると口の中に必要な菌まで減らしてしまい、唾液が減るなど、口内環境を乱す場合があるので注意が必要です。
マウスウォッシュの基本的な使用頻度は、1日1~3回くらい。また、子どもは大人よりも口内が敏感なので、ノンアルコールのものを選び、商品ごとの対象年齢をチェックしてください。
マウスウォッシュ・スプレーに使用期限はある?
保管している環境などにより多少の違いはありますが、通常の保存条件で未開封の場合は製造から3年程度が使用期限の目安です。開封後は使用期限にかかわらず、なるべく早く使い切るようにしましょう。
毎日のケアが大切!歯ブラシや歯磨き粉にもこだわろう
ゆすぐだけで口の中をスッキリさせられるマウスウォッシュですが、あくまでも口内ケアの補助的な目的で使うもの。口内の健康のためには、毎日の歯磨きや規則正しい生活などといった基本のケアが重要です。
以下の記事では、日常的な歯磨きに使うアイテムをカテゴリ別にランキング形式で紹介しています。LIPSの口コミで人気のアイテムがまとまっているので、あわせてチェックしてみてくださいね。
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マウスウォッシュは、あくまで補助的ですがどうしても除去しきれなかった細菌を減少させるのに効果的です。
しかし、口臭の原因である菌を減らすうえで大切なのは、歯ブラシ・フロス・歯間ブラシなどで細菌を減らすこと。フロスで歯と歯の間を清掃し、舌ブラシなどで舌の上の細菌を除去したあと歯を磨き、仕上げにマウスウォッシュを行うのが理想的です。