私達の永遠「シュガシュガルーン」が教えてくれる。
※個人の見解、オタク狂気の長文です。軽く読み流して下さいね。
※「シュガシュガルーン」とは。
≪講談社なかよしに2004年から連載されていた、安野モヨコ先生人気漫画。魔界の女王の座を賭けて恋するハート(モテた数量)の争奪戦を繰り広げるストーリー。少女漫画作中の魔法ヒロインでありながらモテテクを駆使して必死で頑張らないとモテない等、これまでの少女漫画とは一線を画する。安野モヨコ先生のセンス光る世界観、キャラクターの衣装は一見の価値あり。≫
✴︎ショコラ教えて。本当に、本命にモテる方法を✴︎
シュガシュガルーンには「香り」というファクトがよく出てきます。
特定の相手の好きな香りを自分が纏う事は、その相手の特別な人物になれるという、つまり、「香りでモテる」事が大前提になっています。これって、実世界でも同じ事として捉えられていますよね。
香りで落とす、みたいなモテテクは古典的ありがち。この香りさえしていれば、間違いなくモテる!みたいな解釈あるでしょう?一部男性側の好み無視気味ですが。
でも実績あるからこそ、ここまで定番化するのでしょう。(この場合、いい香りがするだけでモテているのではなくて、香りにまで気を遣えるキチンと感がモテているのかと。)
そんな訳で、シュガシュガルーンには、様々な香りのアイテムが登場してきます。
魔界通販で買える色んなラブに効く香水から魔法の杖に付けるオプションの、相手の好きな香りになれる宝石などなど。
その中でも、序盤のストーリーの中核として登場するのが、バニラが作った、ケンカ中のショコラに送る「魔法の香水」。(コミックス2巻)この香水、相手好きな香りになれちゃうのです。
喉から手が出る程欲しい人いるでしょう?
ケンカ中だけあってバニラは効能の説明をしませんが、ショコラは気持ちを汲んで受け取り、早速使用。
翌日、その香水の香りはクラスメイトに様々に解釈され、(シャンプー・フルーツからカレーまで。)ショコラ、大人気。これ、全体モテって言うやつです。
さらに翌日、敵ながらどうしても惹かれてしまう大本命ピエールとのデートにも使用です。
ここでピエール、香水の香りを、バラと認識します。ですが、香りアイテムの効果があったかというと、そうでもない様子。
おかしい、相手好む良い香りをさせれば、好かれるのでは?しかも、鉄板のいい香りなのに?
でも、単純なドラえもん的アイテムを、モテモテだけど複雑なピエール相手に使うのは、安易すぎな手段だったかも?
その後、ピエールが敵である事がはっきりし、モテどころではなくなります。
ここであっさり、香りについてのトピックは終了です。
コレ、実生活で言えば、万人受けするファッションで万人ウケする香りをさせている、コミュニケーション能力バツグンの、いかにもモテそうな女性が、肝心な相手に「いいんじゃない?」くらいでスルーされた状況です。
その上、その彼には一見無愛想で超個性的な彼女がいたりして。(何であの子がモテているのか分からない、っていう子、いませんか?)
香りは確実な方法じゃなかった。ファッションも、コミュ力も。なんであの女の子がモテたのかも不明。
モテるためのセオリーとテクの敗北。残念。
さらにストーリーが進み、あんな事やこんな事があった後。
負傷し、誰も居ない場所で孤独に涙するピエール目撃する、魔法で姿を消したショコラ。(コミックス4巻)思わずピエール背中に飛びついてしまいます。
姿は見えなくても、チョコレートの香りでショコラの存在に気づく、諸事情でメンタルボロボロのピエール。この時、ショコラは魔法の香水は使用しておらず。
なぜ、姿を消したショコラに気づくのか?
なぜ、今回は香りでハッとさせられたのか?
なぜ、香ったのはバラじゃないのか?
ショコラは、名前の通りチョコレートを降らせる魔法だけは超得意なのです。
チョコレートはショコラのアイコン。いわば、ショコラらしさの象徴。
一方、バラの香りはとてもいい匂いで、みんなが好む、一般的良い香りです。が、ショコラらしくはない。
香水でバラ、はありがち。誰からしたっていい香りなのです。
傷心のピエールの背中を抱き締めるのは、シュガシュガルーン世界の中で、ショコラだけ。バラではなく、チョコレートの香りのする、ショコラだけです。
一般ウケする香りは、そこそこまではモテのテクとして通用するでしょう。
本命にだって「いいね」くらいは貰える。
しかしそれは、言わば、いかにもモテそうな架空の人物のコスプレ。雛形に自分をおしあてているだけ。
そこで相手に選ばれたとしても、本当の、テクなしの自分が選ばれた訳ではない、という事です。選んだ側も、本質なんて見ていない。
バラの香りをさせるように、大衆の好みに合わせて徹底的に、好まれそうな自分を作り上げていけば、ある程度は好かれるでしょうね。
世界中の、誰かは振り向かせる事は、出来るでしょう。でも、その誰かが、あなただけのピエールであるとは限らないです。
バラの香りじゃ、姿が見えなくても、その人の存在を感じる程の強いの繋がりは築けないかもしれません。
誰からしても良い香りなのですから。
チョコレートの香りは素のその人らしさです。
本当に惹きつけられる魅力とは、香水で香りを纏わせるのではなくて、内からて滲み出るその人だけの香りに似ています。
モテが価値観のど真ん中来ている時、逆に「モテないパラドックス」が起こる事の理由は以上のような理由です。
それならば、できることはこんな事ですよね。
…良い香りとか、モテるためのセオリーは一旦忘れて。男ウケより自分を大事に。一般的なモテるテクや男ウケを追いかけ過ぎると、自分の魅力も、自分で分からなくなっちゃうと思います。
自分の為に、自分が一番元気でいらるスタイルを維持して。(基準は人との比較じゃない!)自分の好きなメイクをして。(又はしなくても。)好きな服を思いっ切り楽しんで。(流行りでも、そうでなくても。)好きな事に熱中する。(勉強・部活・趣味・仕事・育児などなど。)自分のすべき事を全力で頑張る。(あなたのすべきことはなに?)…
そんな毎日を充実して過ごす姿は、男女問わず、見ていて気持ちが良いです。
そして、そういう人の方が、実際にはモテモテ=見逃せない魅力の持ち主、だったりしますよ。
シュガシュガルーンも、後半から、全体モテからシフトし、ショコラとピエールが、対等な関係性を築いて、一緒に困難を乗り越え成長していくストーリーになっていきます。
何年経っても魅力的。「シュガシュガルーン」読んだことのない方は是非。久しぶりの方はこの機会に再読してほしいです。
現在、公式HPで連載当時の白黒ページがフルカラーで掲載中です!チェックしてね。
読めばきっとあなたも、ロングの前髪なしセンター分けで、ボーダーの服が着たくなる〜!
(※ちなみに、コレで絶対モテるッとレビューされていた¥1600の香水〈赤いヤツだぞ★〉を始めてつけて彼氏の車で出かけた時、ほんの微量での使用にも関わらず、香り系苦手なわたしなので、途中で気持ち悪くなり、一時停車を要求。ショコラ的ミスです。
彼、ピエール程優しくないので「こんなもん、つけてんじゃねえよ💢」ドS発言頂きました。一応、努力は認めてもらえたみたいですけど、全くモテませんし、迷惑だし、「クッセエ💢」言われるし、「¥1600でモテようなんて姑息💢」とのさらなるドSコメント追加で凹みました。でも、わたしの彼は¥1600じゃ落ちない男ってことです❤︎ヤッタネ!
みなさんもお気をつけになってね。)
シュガシュガルーン好きなのでとても楽しく読ませてもらいました✨ ここまで深く考えたこと無かったですがやっぱりシュガシュガルーンはみんなのバイブルですね!