皆、お洒落って何のためにしているのだろうか?
私にはお洒落をするすこーしだけ複雑な理由がある。
私はトランスジェンダーだ。
トランスジェンダーというのは、心の性別(性自認)と体の性別(身体的性)が違っている人の事だ。
私の場合、性自認が男性寄りで、身体的性が女性だ。
半年前までの人生では、自分の体が、違和感しかなくて、気持ち悪くてしょうがなくて、暗い話、何度も死のうとしたし、手術方法も沢山調べた。本気だった。
特に嫌だったのが、先生が力仕事を男子に任せたり、男女別に並ばされたり、なんと言っても、月に1度の生理。あの屈辱は今でも忘れることが出来ない。
「お前がどんなに苦しもうと、違うと意思表明しようと、体は正直だ。これがお前だ」と言われている気がして、とても辛かった。毎日死にたいと思って過ごしていたけど、この時間が来るとその気持ちがいつにも増して襲いかかってきた。
しかし、全くではないが、今はそんなことは無い。性別に対する違和感がかなりマシになった。
要因と考えられるものはいくつか考えられる。
まず、髪をバッサリ切ったこと。
今思えば、あの美容師さんが神がかってたんだと思う。
今でもはっきりと覚えている。
「この髪型って、私の髪質と毛量では無理ですよね…」
「うーん、いけるんじゃない?」
そう軽く言ってくれて、どうなることかと心配してたら、すごく良い感じにしてくれた。それからというもの、ずっとその美容師さん指名で、ずっと同じショートカットだ。
次に、婦人科で超低用量ピルを処方してもらったこと。
私の生理はとても重いらしく、薬を飲むことによって、嘘のように楽になった。ナプキンが汚れる程度で、体の違和感、つらさは全くと言っていいほどなくなった。
さいごに、とあるアニメキャラクターに出会ったこと。
服を買いに行く時、いつもわたしは赤い服ばかり選んでいた。
理由は単純、好きな芸能人の真似。カズレーザーさんの真似だ。
あの頃は、赤ければ何でも良かった。
ところがここで転機が訪れる。
AKIRAというアニメ映画の好きなキャラクターの服装に憧れるようになった私は、どうにか彼と似た服装がしたくなった。実に単純だ。
ここから私はファッション沼へズブズブとハマっていった。
トラッド系、シンプル系の服が好き。クルーエルやファッジといった雑誌が好き。
しかし、私には似合わなかった。
似合う服と着たい服の均衡点を取ることを考えるようになった。似合うか似合わないか、好きか嫌いかといった2軸で、2次元的にファッションを考えるようになった。
そして、着たい服に似合う体になりたいと思った。
着たい服が着られれば、性別なんてどうでもよく思えた。
そういう感じで、私は以前より自分の性別に対してコンプレックスを抱かなくなった。
特に、あの美容師さんとAKIRAには、死んでも感謝しきれない程感謝している。
勿論、お洒落を楽しめる環境に私を置いてくれている家族、ファッションに興味をもつ最初のきっかけとなったカズレーザーさんにも感謝してもしきれない。
まだ性別的な所での辛いことも多いけど、お洒落と好きなキャラクターへの愛で、何とか生き抜いていきたい、そう思える。
#lgbt
#lgbtq
#自己紹介
#雑談
コメント