『C奈もあいつに髪が神だって言われたい。(第3話)』
〜前回のあらすじ〜
高校1年生のC奈は、同じ図書局の気になる相手、D平が先輩の髪を褒めたのを聞いて、自分の髪をきれいにするためケアを始める。
そしてついに、最高のヘアケア方法を見つけた!
(詳しくは、#C奈もあいつに髪が神だって言われたい第1話 #C奈もあいつに髪が神だって言われたい第2話 をご覧ください!)
-----------------本編スタート!-----------------
学校でA子に髪をこれでもかというほど褒められ、有頂天になっていた私は、この後まさかあんなことが起こるなんて夢にも思っていなかった。
放課後、学校の最寄りの駅まで歩きながらふと考える。
今日、D平に会わなかったな…。
図書局の当番も一緒じゃないし、校内でもすれ違わなかった。
同じ学年ではあるけれど、クラスが4つ離れている私たちは、図書局という接点以外では、なかなか会うことがない。
きれいになった髪、見て欲しかったのにな。
「あのー、すいません」
ぼうっと考えていた私は、突然背後から声をかけられてはっと我にかえった。
「はい!」
あわてて返事をし、振り向いた先に立っていたのは、パリッとしたスーツに身を包んだ、清潔そうな男の人。
「突然声をかけてすみません。わたくし、主にシャンプーや化粧品を取り扱っている、株式会社リトルミイの者なんですが」
男性が、上品な銀のケースから名刺を取り出す。
「はあ、リトルミイ…」
聞いたことない会社名だ。私、しげしげと渡された名刺を見つめる。
「実は、弊社がヘアケアに関する新商品を発売することになりまして、CMに出演していただく若い女性を探していたんですよ」
え、CM…?
「それで、お嬢様がとても綺麗な髪をお持ちでしたので、お声をおかけしたという次第なんです」
「わ、私ですか!?」
びっくりして、声が裏返る。まさか、こんなことってある?
興奮と緊張で心臓が速くなる。
「よかったら、お話だけでも聞いていきませんか」
男性がにっこりと微笑む。
「は、はい…」
どうしよう。こんなこと、人生で初めてだよ!
「では、あちらに車を停めてありますので」
男性が道路の向こう側を指さした。
え…。話って、車の中でするの?
急に不安になる。悪い人じゃないよね。
でも、その男性にぐいっと背中を押されて、ぞわっと悪寒が走る。
「私、あの、用事が」
逃げようとしたが、腕をがしっと掴まれた。
どうしよう、怖くて体が動かない。
手を振りほどいて逃げたいのに、足ががくがくして言うことをきかない。
嫌だよ!誰か助けて…!
そのとき。
「すいません。こいつ、これから俺と約束あるんで」
低いけれど凛とした声がした。
私の腕を拘束する手の力が緩んで、後ろに肩が引き寄せられる。
「D平、なんで…」
男性の腕を掴んで、こわばった表情のD平が立っていた。
「ほら、行くぞ」
私より少し体温の高い手が、力強く私の腕を引っ張る。
そのまま、私たちは走り出した。
夢中で走って、息が切れて、肺が痛くなっても、D平が止まるまで私は走り続けた。
背後に誰も追ってこないことを確認して、D平がやっと足を止めた。
「はあ、はあ」
路地裏の塀にもたれかかって、息を整える。
苦しい。でも、助かった…。
「おまえ、なんであんなやつにほいほい引っかかってんだよ」
D平が額の汗をぬぐって言う。
「だって、最初はいい人だと思ったから…」
「なんて誘われたんだよ」
D平が、正面から見つめてくる。
「CMに出ませんかって…。髪がきれいだからって」
「…はあ?そんなことすぐ信じたわけ?」
D平が心底呆れたという声で言った。
その言い方に、なんだかムカッとする。
「髪を褒められたのは、素直に嬉しかったんだもん…!それに、私だって、こ、怖かったんだから!」
ちょっと泣きそうになる。
「そうだよな…。悪かったよ」
D平が申し訳なさそうな表情をした。
「俺だって怖かった。おまえが知らない人に連れていかれると思うと」
D平がうなだれて、目を手でおおった。
その言葉に、胸が熱くなる。
きっとD平も怖かったよね。でも、私のために勇気を出して助けてくれたんだ…。
D平の優しさにじーんとして、今度はさっきとは違う意味で涙が出そうになる。
「ありがとう…」
本当に本当に嬉しくて。
気づいたら私はD平の手を握っていた。
「…っ!ばっ、何やってんだよ!」
D平が真っ赤になって照れる。
「あごごごごごめんっ!」
私もあわてて手を離す。
恥ずかしい!今の完全に無意識だった!
感謝の気持ちを伝えたくて、あと、ほんのちょっとだけ、いや、本当はすごく、D平が愛おしくなって…。
知らないうちに触れたいと思っていた。
「おまえ…っ、そんなんだからあんなやつに目つけられるんだよ!」
「えええ!?」
D平は、私が男の人にすぐボディタッチすると思ってるのかな!
でも、私が触れたいと思うのはD平だけだよ…。
なんて。今はまだ伝えられないけど。
「髪なんて、俺がいくらでも褒めてやるから」
D平が遠慮がちに私の髪を触る。
「だから、もうあんなやつについて行くなよ」
D平が切なそうな表情をする。
「うん…」
私は頷いた。
そのあとD平は私を駅まで送ってくれた。
家に着いたら連絡してと言われ、今さらながらLINEも交換する。
髪がきれいになって浮き足立ってて、変な人にだまされそうになったけど、でもD平に会えた。
D平に会えて、D平の気持ちをきけて、少し距離が縮まった気がする。
D平、ありがとう。
私はきっと、この日を一生忘れない。
(完)
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最後まで読んでいただきありがとうございました🥰
調子に乗って書いたら長くなってしまいました😅
とってもありがたいことに、前回のA子の話や今回のC奈の話をおもしろいと言ってくださる方がいて、本当にうれしいです💕💕
私はというと、まだ福岡にいて大好きなダイソーやセリアを走り回っています🏃💨
今泊まっている祖母の家の目の前にダイソーがあるんですよ🤤
あとは、徒歩2分でイオンに着くんですけど、私の住んでいる田舎ではお目にかからないようなコスメがそろっていて、大変興奮しています😤✨
今回のお話、もし気に入ってくださった方がいたらぜひコメントで感想お聞かせください☺️
それでは、みなさんもあやしい人には気をつけて!
リトルミイでした〜🌼
#ヘアケア
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#リトルミイのストーリー
リトルミイちゃん!めっちゃ完結よかった🥺 いやーまさかねCMやったーぐらいに思ってたら連れ去ろうとしてたのね😱😰怖かったけど、キュンキュン💓したよ笑