そのまま捨てるのはNG!香水の正しい捨て方と不要になった香水の活用法を紹介
不要になった香水をそのままトイレに捨てていませんか? 香水には正しい処分方法があります。
今回は、香水の正しい処分方法や、横浜市・大阪市などの主要自治体における分別方法などをご紹介します。
また、「ちゃんと分別して捨てようにも香水のふたが開かない!」という場合の開け方などの知識も解説!
「香水を捨てたいけど、どうやって処分すれば良いか分からない」という方は、ぜひ、参考にしてみてくださいね。
ビューティアロマセラピスト高橋美穂子
2011年、息子が2歳の時、ワンオペ育児と仕事を両立しながらアロマセラピスト界の最高峰と言われる国際ライセンスのディプロマを2種取得(英国IFA/英国IFPA)。その後フリーランスとして活動。教育機関・企業・商業施設でのセミナー講演を数多くこなし、アロマセラピーの啓蒙活動に注力。セラピスト専門誌への寄稿のほか、製品やトリートメントサロンの香り監修なども手掛ける。TV・雑誌掲載などメディア出演も多数。ミスユニバースジャパン2014千葉大会審査員。続きを読む
簡単3ステップ!香水の正しい捨て方
使わなくなった香水や、使い終わった香水の容器は、実は簡単に捨てられます。以下の3ステップが、香水の捨て方の基本です!
- パーツごとに分解する
- 香水の中身を処分する
- 香水の容器を処分する
香水の捨て方が分からないとお悩みの方に、まずは、香水の正しい捨て方を手順ごとにご紹介します。
STEP① パーツごとに分解する
まずは、香水をパーツごとに分解します。香水は大きく分けて、ボトル・ふた・スプレー部分・中身の4つのパーツに分けられます。
パーツによって素材が違い、ボトルにおいてもガラス製だったり、プラスチック製だったりとさまざま。そのため、正しく分別して処分できるように、素材の違いを理解しておきましょう。
STEP② 香水の中身を処分する
香水をパーツごとに分解したら、次に香水の中身を処分します。香水の成分は、ほとんどが香料とエタノールです。香料・エタノールともに可燃性のため、燃えないごみに出すのはNG。燃えるごみとして処分します。
燃えるごみとして捨てるためには、以下のアイテムを準備してください。
- 新聞紙・ティッシュペーパー・キッチンペーパーなどの紙
- 密閉可能な袋
中身を捨てる際の手順は、以下の通りです。
- 香水の液体を新聞紙やティッシュ、キッチンペーパーなどの紙に吸わせる
- 香水の中身を吸わせたペーパー類を袋に入れて密閉。袋を二重にするとなお◎
- 燃えるごみとして捨てる
なお、中身を捨てる際は、換気するか屋外で行うのがおすすめです。密室で行うと、強い香りで気分が悪くなる可能性もあるので注意しましょう。
STEP③ 香水の容器を処分する
最後に、香水の容器を処分します。香水の容器にはさまざまな素材があり、それぞれのパーツの素材もさまざま。パーツを正しく分別して処分しましょう。
燃えるごみ | 香水の中身 |
---|---|
燃えないごみ | 香水びん(空きびん)、キャップなど(プラスチック)、スプレー部分など(金属部分) |
資源ごみ | 香水びん(空きびん) |
香水びんは、燃えないごみか資源ごみか、自治体によって分別方法が異なります。お住まいの自治体の分別方法に従って処分しましょう。
自治体別容器の捨て方
自治体によって容器の捨て方が異なります。代表的な自治体のごみの処分方法をご紹介するので、参考にしてみてください。
- 文京区:資源ごみ(びん)、不燃ごみ(金属部分)、可燃ごみ(プラスチック部分)
- 横浜市:燃えないごみ(びん)、小さな金属類(金属部分)、プラスチック製容器包装(プラスチック部分)
- 名古屋市:空きびん(びん)、不燃ごみ(金属部分)、プラ容器包装(プラスチック部分)
- 大阪市:資源ごみ(びん、金属部分)、容器包装プラスチック(プラスチック部分)
- 福岡市:空きびん・ペットボトル(空きびん)、不燃ごみ(金属部分)、可燃ごみ(プラスチック部分)
このように、自治体によって捨て方は違います。詳しくは、自分が住んでいる自治体の情報を確認してみてくださいね。
- 監修者ビューティアロマセラピスト高橋美穂子
香水のふた(スプレー部分)が開かないときの対処法
香水を捨てるためにパーツごとに分解しよう!と思ったものの、意外と開けづらいのが金属製のスプレー部分(ふた)ではないでしょうか。くるくる回してボトルから取り外せるタイプだと簡単ですが、大抵の香水はスプレー部分とボトルがしっかりくっついていて簡単には外せません。
正しく分別できるよう、かつ安全に取り外せるように、以下のアイテムを準備しましょう!
- 新聞紙・使い古したタオルまたはビニールシート
- ビニール手袋あるいは軍手
- マイナスドライバー
- ニッパー
次に、外し方を解説します。
- 床に新聞紙か使い古したタオル、またはビニールシートを敷く
- ビニール手袋あるいは軍手をする
- ボトルと金属の隙間にマイナスドライバーを差し込む
- テコの原理を使ってマイナスドライバーに力を加え、スプレー部分を浮かせる
- ニッパーでスプレー部分を切り取りながら、取り外す
もし香水がこぼれても、床が汚れたり、香水のにおいが飛散したりしないように、床に新聞紙やタオルを敷いておくと安心です。
また、手に香水がつくと香りがなかなか取れないので、ビニール手袋や軍手をすると◎。滑りにくさを考えると、軍手の方がより良いでしょう。
マイナスドライバーやニッパーを使う際は、怪我しないように細心の注意を払ってください。
香水のふた(スプレー部分)が外れたら、さらにスプレー部分にあるプラスチック素材のパーツなども取り外し、それぞれ分別して処分します。
- 監修者ビューティアロマセラピスト高橋美穂子
ペットを飼っているご家庭なら、ペットシーツも便利なアイテム。
床などの汚れ防止のほか、残っている中身が少量なら、各パーツを外した後そのまま中身をペットシーツに染み込ませて捨てればOK!
これはNG!間違った香水の捨て方
ここでは、間違った香水の捨て方もご紹介します。パーツごとに分けるのが大変だからといって、適当に捨てるのはNG。香りが強い特性を考慮する必要があるので、正しい知識を身につけましょう!
中身が入った状態のまま捨てる
香水の中身が入った状態のまま捨てるのはNGです。とくに、中身が入ったまま燃えるごみに捨てるのは絶対にNGなので気をつけましょう!
香水の成分は、ほとんどが香料とエタノール。そのエタノールはアルコールの一種であり、可燃性です。そのため、そのままの状態で燃えるごみに出してしまうと、引火する恐れがありとても危険なので注意してください。
中身はしっかりとペーパー類に吸わせて、香りが漏れないように密閉して燃えるごみに捨てましょう。
中身を洗面台やトイレに流す
香水の中身を洗面台やトイレ、キッチンの排水溝などに流すのもNGです。
「香水は液体だし流しても良さそう」と思うかもしれませんが、香水の成分には水分以外に油分なども含まれます。そのため、香水を洗面台やトイレに流すと以下のようなリスクがあります。
- 排水溝が詰まってしまう
- 排水管が傷んでしまう
- 強い香りが上がってきて気分が悪くなる
また、正しく捨てないことは環境にも負荷を与えます。もちろん、海や川に流すのもNGです。
パーツごとに分別しないで捨てる
香水はさまざまな素材のパーツで成り立っているので、そのまま捨てるとごみの分別ができません。それぞれのパーツに分解するのは大変ですが、ごみは正しい分別のもと捨てる必要があります。
びん・金属部分・プラスチック部分、場合によってはシリコン部分などが含まれることも。正しく捨てられるように、面倒に感じてもパーツごとに分解するのを忘れないようにしましょう。
- 監修者ビューティアロマセラピスト高橋美穂子
近年、誤ったごみの出し方によるごみ収集作業員さんの労働負荷が社会問題にもなっています。
必ず各自治体のごみ処分方法に従って出すようにしましょう。
不要になった香水を活用する方法5つ
香水を処分するのもなかなか大変なので、不要な香水を再利用して活用するのはいかがでしょうか? ここでは、不要になった香水を活用する方法を5つご紹介します。
香水の活用方法①ルームフレグランス(ディフューザー)として活用する
簡単に実践できておすすめなのが、香水をルームフレグランスとして活用する方法です。
まずは、ルームスプレーとして、しゅっと一吹きするだけ。お部屋に良い香りが広がります。
あるいは、香水のふたを外したあとに、竹串などを入れる活用法です。ディフューザーのようにやわらかく香りが広がるので、お部屋やクローゼット、玄関などに置くのも良いですね。
香水の活用方法②ヘアフレグランスとして活用する
髪の毛用の香水としてヘアフレグランスがありますが、不要な香水をヘアフレグランスとして活用するのもおすすめです。ただし、香水とヘアフレグランスでは成分が違うので、香水を直接髪の毛に吹きかけると髪の毛が傷んでしまう可能性があります。
そこでおすすめなのが、以下3つの方法です。
- ヘアブラシに香水を吹きかけてブラッシングする
- 就寝時、枕に香水を吹きかける
- 空中に香水を吹きかけ、その空間をくぐって香りをまとう
どちらの方法も自然に香りが広がりそうですね。
香水の活用方法③練り香水として活用する
不要な香水を練り香水に作り替えれば、普通の香水とは違った魅力を楽しめるはず!
練り香水の作り方は簡単で、必要なアイテムも簡単に揃えられます。
- 香水 5〜10滴
- 練り香水を入れる容器
- 白色ワセリン(医薬品)
- スパチュラ
作り方は、以下のとおりです。
- 容器に医療用ワセリンを5g入れる
- ワセリンに香水を5〜10滴ほど垂らす
- スパチュラで混ぜる
香水の分量は、お好みの香りの強さで調整可能です。また、スパチュラがなければ、マドラーでの代用もOK! 肌につけるので、ワセリンは医療用を使いましょう。
練り香水はやさしく穏やかに香りが広がります。小さな容器に入れて持ち運びできるのも◎。オフィスに置いておいたり、旅行に持って行ったりと幅広く活躍しそうですね。
香水の活用方法④バスアロマとして活用する
簡単にできてリラックスタイムを盛り上げてくれるのが、お風呂で香水を活用する方法です。バスタブに数回プッシュするだけという手軽さも魅力! 香水の華やかな香りがお風呂に広がり、贅沢バスタイムが叶います。
ただし、お風呂の残り湯を洗濯に使っている方は要注意。入浴剤を入れた残り湯は洗濯に使わないですが、香水を入れた残り湯も洗濯への再利用はやめましょう。洗濯物に香りが移ったり、服にシミがついたりしてしまう可能性があるので気をつけてください。
- 監修者ビューティアロマセラピスト高橋美穂子
バスアロマとして活用する場合、浴室内は湿度が高いので少量でも十分に香りを楽しむことができます。
小さなお子様がいるご家庭は、バスタブではなく浴室空間にシュッとスプレーするだけでもOK!
香水の活用方法⑤フリマサイトなどで他の人に使ってもらう
最近は、不用品をフリマサイトで売却する人も多いですよね。不要な香水も、捨てるのではなく、売却するという選択肢があります。
開封済みでもほとんど使っていなかったり、使用期限までの日数が長かったりと、条件が良ければ高値がつくかもしれません。
商品の撮影・梱包・発送とすべてを自分でこなさなくてはいけないので手間はかかりますが、売却価格を自分で決められるのはメリット。何らかのトラブルの際には自分で対応しなければいけませんが、大切にしていた香水をまた誰かに使ってもらえるのは嬉しいですよね。
香水の使用期限はいつまで?
次に、一般的な香水の使用期限と、長持ちさせる方法について解説します。知っておくと便利! ぜひ参考にしてみてくださいね。
香水の使用期限は、開封済みの場合は約1年
香水の使用期限は、未開封と開封済みで異なります。開封済みの場合は、約1年です。一度開封すると空気に触れるため、酸化したり劣化したりと、目には見えない変化が起きています。1年とはいうものの、なるべく早く使い切りましょう。
未開封の場合は、約3年です。ただし、購入日から3年ではなく、製造日から3年なので注意! 製造時期についても確認し、未開封であっても3年を経過したものは処分を検討したほうが良いでしょう。
- 監修者ビューティアロマセラピスト高橋美穂子
香りの種類によっても劣化スピードは変わってきます。例えば柑橘系の香りは酸化が早いですが、オリエンタル系などベースノート香りは比較的長持ちします。
気になる場合は、メーカーに直接確認をしておくと良いでしょう。
香水が劣化しているか見分ける方法
香水が劣化しているか、なかなか見た目では分かりません。ここでは、劣化した香水を見分ける方法をお伝えします。
- 香りの変化で確認
- 色の変化で確認
- パッチテストで確認
本来の香水の香りではなく、変なにおいを感じたらそれは劣化のサイン。また、色の変化にも着目しましょう。明らかな変色はもちろん、少し濁っているなどの違和感があれば劣化していると思ってよいでしょう。
パッチテストも有効です。腕の内側にほんの少し乗せてみて、しばらく置きます。そのあと、赤みやかゆみなどがないかを確認。肌が弱い人はなるべくパッチテストも避けて、香りや色の変化で確認するのがおすすめです。
香水の使用期限について詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてくださいね!
- 監修者ビューティアロマセラピスト高橋美穂子
アウトレットやディスカウントショップなどで購入した場合は、正規店と比べて製造日数が経過している可能性があります。
心配な方は、開封してすぐの場合でも、腕の内側などで赤みやかゆみなどが出ないか確認しておくと安心ですね。
香水を長持ちさせるための保存方法
最後に、香水を長持ちさせるための保存方法をお伝えします。お気に入りの香りをできるだけ長く楽しむために、ぜひ参考にしてみてくださいね。
温度の変化が少ない15℃~25℃で保存するのが理想
香水は温度変化に強くないので、15℃〜25℃くらいの温度がキープできる場所に保存しましょう。できれば多湿環境も避けたほうがよいです。温度変化の少ないクローゼットなどに保存するのがおすすめです。
直射日光の当たる場所は避ける
香水は、直射日光の当たる場所を避けて保存しましょう! 紫外線に当たると、変色や劣化を引き起こす可能性があります。日光がよく当たる部屋に保管するなら、箱やケースなどに入れて、直接当たらないように工夫することが必要です。
ふたをしっかり閉めて、液体の揮発や酸化を防ぐ
香水のふたはしっかり閉めましょう。閉まっていないと、空気に触れて酸化してしまい、劣化の原因になります。また、香水の主成分であるエタノールはアルコールの一種。しっかり密閉しておかないと、揮発してしまいます。
酸化や揮発を防ぐために、香水のふたはしっかり閉めて保存しましょう。
- 監修者ビューティアロマセラピスト高橋美穂子
特に湿度が高い洗面所、また室温が上がりやすいことや引火性なども考慮してキッチン周りも避けておきたい場所のひとつ。
大切な香りを長持ちさせるためにも適切な場所に保管するようにしましょう。
香水を楽しんだら正しく処分しよう!人気の香水はこちらで紹介
少し迷ってしまう香水の処分方法ですが、環境のことも考え、正しく処分しましょう! または、さまざまな形での再利用も良いですね。きっとお気に入りの香水を長く楽しめます。
人気の香水や香水の付け方については、以下の記事で紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね!
- 監修者ビューティアロマセラピスト高橋美穂子
お気に入りの香りを楽しんだ後は、最後の処分まで美しくありたいもの。
また、捨てるのが惜しい!という方は、香水びんをインテリアとして大切に飾っておくのも素敵な楽しみ方のひとつですね。
特に燃えないごみや資源ごみの処分方法は見直しのされやすい項目です。
変更になっている場合もありますので、ごみを出すタイミングでお住まいの自治体のホームページを確認しておくと良いでしょう。