ディシラの悲劇と専門店ブランドの見直し
今から遡る事令和元年に長らく化粧品店専門店ブランドで販売されていたディシラが終了。今年で4年目になります。
ディシラは、今から33年前の平成3年にスタート。資生堂の新たなる高級ブランドとして化粧品店専門店向けに発売されました。
資生堂の名前を隠した覆面コスメであり、イプサが第一弾、ディシラが第二弾。
販売ルートは子会社のエトバスからの販売でありました。
ディシラのコンセプトは、簡単なお手入れでしっかりとお手入れされた肌を手に入れる。まさに社会進出が盛んになった女性たちの強い味方でありました。スキンケアとベースメイクのみの展開。ベースメイクはクリームファンデ一本。スキンケアだけでなくベースメイクも高評価であり、フェイスパウダーは、汗や水にも強い為化粧崩れがしないと大評判でありました。
後に、ボディケアもリリース。他のボディソープはダメでもディシラのボディソープなら大丈夫という声もあり、ボディリンスやバスソルトといった斬新なアイテムまで登場。香りが良いとの事で高くても購入される方や、資生堂の美容部員さんたちにまで好評でありました。
中にはディシラは高くて続けられない、ディシラを初めて使いたいとの声もありセカンドブランドのコンフィアをリリース。コンフィアは、ディシラより手頃ではあるが、使用方法と簡単なお手入れで美肌を手に入れるのはディシラを継承。ディシラ派とコンフィア派に分かれ、当時クレ・ド・ポーを使われていた方たちがここぞとばかりにディシラに乗り換えたり、クレ・ド・ポーと併用される方もありました。
徐々に成長していき平成8年に念願のヘアケアシリーズが登場。特にシャンプー、ヘアマスクは頭皮に使えて髪の毛と頭皮までしっかりケアできてそのうえ香りも良くタバコや焼き肉等の強い匂いもマスキング。加齢臭にもアプローチしてくれる為女性のみならず男性たちにも密かに人気でありました。
90年代末期には待望のパウダーファンデーション、カラーメイクも展開。2000年代にコンフィアからセカンドラインのアンヴェールを展開。アンヴェールは自然な香りと手頃な価格帯でディシラはハードルが高いという方にも人気のあったヒーリングコスメでありました。
香水のサントゥールもヒット。凄まじい成長になり顧客を増やしていきました。
2000年代に入りディシラはリブランディングを果たし、アンヴェールは販売縮小されディシラのみでの展開に。ディシラのスキンケアは EXラインとSPラインでの展開になりスペシャルケアとしてプレドミナを新設。
SPライン
ディシラ入門者、比較的若い方、価格を抑えたい方。
EXライン
初代ディシラのパワーアップ版。効果的な仕上がりを求めたい方、値段に余裕がある方、高品質を求めたい方。
プレドミナ
ディシラのスペシャルケアシリーズ。肌悩みを解決したい方、いつものお手入れにプラスアルファをしたい方。3万円のクリームと6万円の高機能クリーム、1万1千円の日焼け止めが有名。
ヘアケアとボディケアは継続。
ベースメイクはクリームファンデ、パウダーファンデ、モイストタイプのクリームファンデ、フェイスパウダーのほか低価格帯のリキッドファンデ、パウダーファンデもリリース。
カラーメイクは6,000円の口紅も追加。
人気が定着して密かにリブランディングを重ねていきました。
ショップも資生堂チェーンストアからディシラショップに模様替えしたり、ディシラを専門的に取り扱う個人店舗も続出。更には大型化粧品店ではディシラの教育を受けた販売員が駐在する店舗で展開。
ディシラのコンセプトカラーはディシラブルーであり、ディシラ取り扱い店舗はコンセプトカラーであるディシラブルーに模様替えする店舗も増えていきました。大型化粧品店にも取り扱われるようになった事でディシラを知らない若い方たちにも続々と人気になり、更に、芸能人やモデルさんたちの間でも人気のブランドとなりディシラはメジャーになっていきました。
平成28年にディシラの販売ルートは子会社のエトバスから資生堂ジャパンに移行。資生堂ジャパンの専門店ブランドの仲間入りを果たしました。
長らく多くの顧客やファン、ユーザーたちで人気となり成長を成し遂げ堅実に販売されていきましたが、令和元年にディシラ終了のアナウンスが入りました。
ディシラが終了した理由としては、クレ・ド・ポーボーテや専門店ブランドのベネフィークとダブってしまい採算が取れなかった事、資生堂ジャパンの中長期戦略「VISION 2020」の達成に向けて更なる成長を実現するため、ブランド・事業の「選択と集中」の理由もありブランド整理により令和元年秋に惜しまれつつ終了。
ディシラショップやディシラ取り扱い店舗は代替として同じ資生堂の専門店ブランドのベネフィークにシフトしたり、店舗の方針で他社ブランドの専門店ブランドにシフト。
店舗の方針で化粧品そのものの取り扱いを取りやめたり最悪店を畳む店舗も続出。
長年ディシラを使われていたヘビーユーザーたちはディシラがなくなり次は何を使えば良いのか…とディシラ難民やディシラロスまで続出。復活を希望する声も多かったのでありましたが、令和2年にヘアケアとボディケアの復活を希望する声も多くいらしているとの事もありベネフィークのDラインとしてディシラのヘアケアを使用されていたたちからは歓喜の声が続出。
ベネフィークのDラインはその後リシェールバイベネフィークとして発展。ディシラ時代はディシラブルーのパケでありましたが、リシェールバイベネフィークに至ってはコンセプトカラーはピンクに変更。香りは引き続きディシラを継承。長年のディシラファンに喜ばれており、ディシラを知らない方たちにも人気となっております。
ディシラのスキンケアを愛用されていた方たちは、クレ・ド・ポーボーテ、ベネフィークにシフトしたり、他社メーカーを渡り歩いたりと2分割されており、ディシラのスキンケアの復活の声も多くいらしております。
同時期にはユアシセイドウ限定ブランドのYSも終了。YSは、他の資生堂のブランドには無いオリジナリティがあるスキンケアのほか90年代後半には時短で完了するまさにオールインワンの走りであるアイテムも登場。2000年代中期には他の資生堂の美白に先駆け4-MSK配合の美白エッセンスも発売され以降4-MSKは資生堂のブライトニングケアのエースとなっています。ファンデーションもリキッドとパウダーで仕上げるファンデーションまであり、ヘアケアまで展開されていましたが、中長期戦略「VISION 2020」の達成に向けて更なる成長を実現するため、ブランド・事業の「選択と集中」とブランド整理により終了。
ユアシセイドウ店はユアシセイドウの看板は残して代替としてベネフィークに差し替えるお店や最悪店を畳む店舗も続出しました。
キオラは、資生堂の専門店ブランド第二弾として平成10年に誕生。香りとスキンケアを両立させたヒーリングコスメであり、使用方法が他のブランドと違い特殊であり、正にオールインワンの走りのコスメであり、不規則な生活をしている夜勤従事者、看護師、医師、介護士、芸能人、モデルさん、テレビ局のアナウンサーの方たちにも人気になったブランドであり、ベネフィークが赤に対してキオラはキオラブルーと濃いブルーがコンセプトカラー。若い方たちや忙しい日々を過ごしている方たちに人気になったブランドでありましたが、使用方法が特殊である事、中長期戦略「VISION 2020」の達成に向けて更なる成長を実現するため、ブランド・事業の「選択と集中」とブランド整理により終了。
ベネフィークと統合され現在はベネフィークリュクス、ベネフィークエッセンシャルが事実上の後継になっております。
キリョウ
キリョウはリンゴ果実水を成分とした自然派ブランド。子会社のアクス経由で発売。スキンケアとハンドクリームの展開。若い方や手頃な価格帯の為主婦の方たちにも人気であり、敏感肌の方でも使えるという事で人気となりましたが、中長期戦略「VISION 2020」の達成に向けて更なる成長を実現するため、ブランド・事業の「選択と集中」とブランド整理により令和元年に終了。後継ブランドは無し。
ロズレイ
ロズレイは資生堂のエステ専門ブランド。ロズレイのエステを受けてカウンセリングしてアフターケアとしてスキンケアを購入というまさに資生堂の専門店ブランドでは別格のブランド。取り扱い店舗が少なかった事、中長期戦略「VISION 2020」の達成に向けて更なる成長を実現するため、ブランド・事業の「選択と集中」という事、ブランド整理により終了。プロフェッショナルブランドのQiと統合。
Q i
資生堂のエステ専門ブランド。初期はディシラと同じ子会社のエトバス経由で発売、その後資生堂プロフェッショナルへ移行。エステ専門ブランドとして長年愛されるもののブランド整理により終了。
ロズレイ、Q iを取り扱っていたエステ専門店はクレ・ド・ポーボーテやベネフィークに差し替える店舗や店舗の方針により他社のエステ専門ブランドに切り替えたり最悪店を畳む店舗も続出。
ベネフィークは資生堂の専門店ブランドとして平成8年に誕生。値引きをせずに定価販売とカウンセリングを条件としてベネフィークの教育を受けた化粧品店専門店での取り扱い。
ベネフィークが導入後は旧クレ・ド・ポーやクレ・ド・ポーボーテの取り扱いをやめてベネフィークに特化する店舗も続出。売り上げが見込める店舗のみクレ・ド・ポーボーテも取り扱い。
ベネフィークは赤のニュートリエントラインからスタートしてメイクアップも登場。ベネフィークが成功してホワイトニングラインも登場。2000年代初頭にはベネフィークのポイントメイク版のエメルジェをリリース致しましたがピエヌとダブってしまった事、ブランド整理により終了。エメルジェはベネフィークセオティとして再出発を図りました。
2000年代中期にベネフィークの高級ラインのリニューが誕生して2つのラインとなりましたが再リブランディングによりリニューラインはベネフィークリュクスとなり従来のベネフィークはIMラインとなり、セオティとメイクアップはリブランディング。
若い方やニキビ肌に悩まされている方にさっぱり目のACラインも登場。スペシャルケアとしてジーニアスシリーズも登場。堅実にファンを増やしていき老若問わずに人気のブランドに成長していきました。
令和に入りベネフィークは更に進化。
ディシラやキオラ、YSやキリョウ、ロズレイ、Qiを使われた方たちの移行やベネフィーク入門者たちにも入りやすいようにラインナップを整理。現在は、ベネフィークリュクス、ベネフィークエッセンシャル、ベネフィークドゥース、ベネフィークACライン、ベネフィーク、ベネフィークサプリメント、リシェールバイベネフィークでの展開になり一部セオティ、IMシリーズ、ジーニアスシリーズが残り現在はスキンケアとベースメイクに特化したブランドになっております。
ベネフィークリュクス
ディシラやキオラ、ロズレイを使用されていた方。簡単なお手入れでしっかりとした肌へと導きたい方、エイジングケアを重視したい方。
ベネフィークエッセンシャル
忙しい方たちの強い味方。時短でしっかりお手入れしたい方、キオラ、YS、キリョウを使われていた方。
ベネフィークドゥース
ベネフィーク入門者向け。ディシラ、YS、キリョウを使われていた方。若い人でもエイジングケアをしたい方。さっぱりとしたテクスチャー。
一時は販売終了のアナウンスをされましたが、あまりの人気もあり販売終了を撤回され現在も継続販売中。ベネフィークの伝説のライン。
ベネフィークACライン
大人ニキビに悩まされている方、ニキビ肌に悩むティーンズの方、比較的若い10代から20代向け。
ベネフィーク
ベネフィークのベーシックライン。NTシリーズを使われていた方、ディシラ、YS、ロズレイ、Q iを使われていた方。
お手入れをしっかりと行いたい方、ドゥースでは物足りない方。
リシェールバイベネフィーク
香りとヘアケア、ボディケア専門ブランド。ディシラ、アクラ、アヒリダ、ベネフィークヘアケア、ボディケアを使われていた方、香りと癒しとケアを楽しみたい方。
ベネフィークサプリメント
内面からしっかりケアしたい方。
平成8年にスタートしたベネフィークはリニューアルを重ねて大成功。ディシラ、YS、キリョウ、キオラを使われた方たちはベネフィークに上手に乗り換えた方や、エリクシール、リバイタル、アクテアハートを使われていた方たちまで乗り換えたり、他社ブランドから乗り換えたり、金銭的問題でクレ・ド・ポーボーテから乗り換えたりと人気ブランドになり資生堂の専門店ブランドの中核を担っているブランドでございます。
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